エバン・フォーニエ

マジック時代は主力として活躍も、ニックス加入後はシボドーHCの下で構想外など苦しむ

昨シーズンまでNBAで12年間にわたってプレーしていたフランス代表のエバン・フォーニエの新天地がギリシャの名門オリンピアコスに決まった。『The Athletic』のシャムス・カラニアによると、契約は2年総額400万ドル(約6億円)だ。

31歳のフォーニエのNBAキャリアは、20歳だった2012-13シーズンのナゲッツから始まった。そして、14-15シーズンに加入したマジックでは、主力選手としてステップアップを果たす。18-19シーズンには81試合出場で平均15.1得点を挙げ、2012年以来となるプレーオフ出場に貢献した。また、翌年には66試合出場で平均18.5得点をマークするなど、非凡な得点力で存在感を示していたフォーニエが、2021-22シーズンのニックス加入から一気に失速してしまう。

加入1年目こそ80試合出場で平均14.1得点と主力待遇だったが、トム・シボドーヘッドコーチの信頼を勝ち取ることができず翌シーズンから構想外に。そして昨シーズン中盤にはピストンズへとトレードで放出されてしまう。また、リーグ下位に沈み若手育成へと舵をきっているピストンズでも思うような出場機会を得られず精彩を欠いていた。

このように過去数シーズンはNBAで苦しんでいたフォーニエだが、パリ五輪ではフランス代表として健在ぶりを示す。パリ五輪序盤ではビクター・ウェンバニャマを中心とした新しいスタイルへの適応に苦しんでいたが、不動の先発からのベンチスタートを受け入れるなどチームファーストの姿勢で銀メダル獲得に貢献。大会通算ではウェンバニャマ、ガーション・ヤブセレに続くチーム3位の平均9.8得点をマークしている。

まだ、31歳とフォーニエの現役生活はまだまだ時間が残されている。ヨーロッパのトップステージで持ち前の得点力を武器に、再びチームの中心選手として活躍する姿を見せてもらいたい。