『個』と『チーム』、マッチアップの結末は?
西カンファレンス7位のサンダーと同9位のトレイルブレイザーズの対戦。ラッセル・ウェストブルックがキャリアハイの58得点を挙げるも、バランスの良いオフェンスを展開したブレイザーズが上回った。
序盤はウェストブルックがパスを散らしながら得点を重ね、サンダーが主導権を握る。効率の良いオフェンスからリズムが生まれ、周りの選手もそれにつられるように高確率でシュートを沈めていく。残り2分強の時点でウェストブルックをベンチに下げながらも、40-29と2桁のリードを奪い第1クォーターを終えた。この40点という数字はサンダーの第1クォーターにおける今シーズン最多得点となった。
第2クォーターに入ると0-8と走られ、瞬く間にリードを失ってしまうが、ウェストブルックをコートに戻すことで攻守ともに持ち直し、前半を終えて67-61とリードを保った。
しかし後半に入ると、ウェストブルックに偏重するサンダーオフェンスとは対照的に、バランスの良いチームオフェンスを展開するブレイザーズの猛攻を浴びる。
ブレイザーズはデイミアン・リラードが遠距離3ポイントシュートやタフショットを次々と沈め、エースとして反撃のきっかけを作る。ノア・ボンレーがインサイドで身体を張り、アレン・クラブが3ポイントシュートを沈めるなど、それぞれが自分の持ち味を発揮しチームオフェンスが機能。全員攻撃で一気に試合をひっくり返した。
7点のビハインドを背負って最終クォーターを迎えたサンダーは、やはりウェストブルックを中心にオフェンスを展開する。コースト・トゥ・コーストを連発し、次々とタフショットを沈めていく。残り1分47秒、キャリアハイを更新するレイアップで116-116と同点に追いつく。
サンダーは勝つも負けるもウェストブルック次第
その後CJ・マッカラムに2本のフリースローを決められ、119-122で迎えた最終盤。ウェストブルックが同点3ポイントシュートを狙うもこれがリングに弾かれる。その後のファウルゲームでも確実にフリースローを決められ、121-126で敗れた。
ブレイザーズは5本の3ポイントシュートを沈めたクラブがチームハイの23得点を記録。リラードが22得点、マッカラムが21得点と続いた。また出場した9選手全員が得点し、7人が2桁得点を記録した。
敗れたサンダーはウェストブルックがキャリアハイの58得点を記録。2桁得点はヴィクター・オラディポの16得点とエネス・キャンターの11得点だけにとどまった。
本来であれば得点者に偏りがあると、バランスが崩れオフェンスが機能しなくなる場合が多い。だがサンダーはこれだけウェストブルックに得点が偏った試合だったにもかかわらず、終盤に追いつき接戦を演じた。ウェストブルック依存を直すつもりはなく、勝つ時も負ける時もウェストブルック次第と覚悟を決めているのが今のサンダーだ。
強いて敗因を上げるとするならば55.3%という高いシュート成功率を許したことだろう。それはすなわちイージーシュートをどれだけ打てるか、打たせないかという攻守のクオリティーの差である。
ブレイザーズは8位のナゲッツとのゲーム差を1.5と縮め、プレーオフ進出へ弾みをつけた。サンダーはナゲッツと5.5ゲーム差でまだ余裕がある状況だ。それでもプレーオフを勝ち抜いていくためにはウェストブルック以外の選手の底上げが必要不可欠となりそうだ。