ステフィン・カリー

セルビアのゾーンを3ポイントシュート9本成功で攻略

パリオリンピックの準決勝でアメリカとセルビアが対戦。同じグループだった両チームは今大会の初戦で対戦しているが、お互いにまだコンディションが上がらず様子見だった前回から12日が経過し、試合を重ねる中でチームを仕上げており、素晴らしい戦いを見せた。

セルビアは立ち上がりからエンジン全開。強度の高いディフェンスに、オフェンスに転じれば思い切り良く放つシュートを次々と決め、第1クォーターを終えて31-23、第2クォーター途中には最大17点のリードを奪う。

アメリカはそこから立て直したものの、押し返すには至らず63-76と13点ビハインドで第4クォーターへ。ここで序盤から飛ばしてきたツケが回って疲労の色が出てきたセルビアをアメリカが追い上げ始める。そして残り4分40秒、キーマンである二コラ・ヨキッチがファウルトラブルに陥ると、流れはアメリカへと傾いた。

ジョエル・エンビードとレブロン・ジェームズの得点でアメリカが追い付き、セルビアがヨキッチのアシストからフィリップ・ペトルセフの得点でリードを奪い返すも、残り2分半でステフィン・カリーの3ポイントシュートで87-86とアメリカが逆転に成功。レブロンとカリーの追加点でそのまま91-86と突き放す。ヨキッチを中心に粘ったセルビアだが、入り続けたジャンプシュートが終盤に落ちてリズムを取り戻せなかった。最後はカリーのフリースロー2投で、アメリカが最終スコア95-91で勝利している。

カリーは33分の出場でフィールドゴール19本中12本成功、そのうち3ポイントシュートは14本放って9本を決めた。オリンピックを通じて決してシュートタッチが良くはなく、初戦でセルビア相手に11得点を奪った後は、3得点、8得点、7得点と振るわず、3ポイントシュート成功率は25%と低水準に留まっていた。それでもこの試合では、セルビアのゾーンディフェンスにアメリカの攻めが停滞する中で、彼が違いを作り出す。劣勢だった前半から高確率の3ポイントシュートでチームを支え、最後までペースを落とさずシュートを決め続けた。

同じく大会序盤は苦戦が目立ったジョエル・エンビードも、NBAで『MVP対決』を繰り広げるライバルのヨキッチを相手に大健闘し、19得点と奮闘。さらにレブロン・ジェームズが16得点、ケビン・デュラントが9得点と、NBAのスーパースターが要所でそのタレント力を見せ付けた。

準決勝のもう1試合は開催国フランスがドイツに競り勝った。アメリカvsフランスのファイナルは現地8月10日(日本時間11日の早朝4時)に行われる。