勝負を決める得点を決め「自信を持って打ちました」
8月7日、インターハイの準々決勝で福岡大学附属大濠は鳥取城北に苦戦を強いられた。立ち上がりは8-3と好スタートを切ったものの、そこから相手のパワフルな攻守に後手に回り、相手の3ポイントシュートの当たりも来たことで、第2クォーター途中で18-31と差を付けられた。
それでもここからチームでチャンスを作ってゴール下を確実に決めて悪い流れを止めると、湧川裕斗が3ポイントシュートを3本ねじ込み、ピック&ポップからビッグマン渡邉伶音も決める3ポイントシュート攻勢で36-38まで追い上げて前半を終える。福岡大学附属大濠の流れは後半も続き、第3クォーターに逆転に成功すると、ロースコアの展開でもしぶとく自分たちのペースで試合を進めて66-56で勝利を収めた。
劣勢に陥ったチームを救うビッグショットを決めたエースの湧川は20得点を記録。試合途中、倒れた際に足を痛めてベンチに下がったが、片峯聡太ヘッドコーチから「お前がやらなきゃ誰がやる」と檄を飛ばされ、その通りに残り40秒で65-56と勝利を決定づける3ポイントシュートを決めている。
「もっと求心力のあるプレーヤーになれ」
ケガは倒れた際に足を攣ったもの。「自分が抜けてチームに迷惑をかけてしまったので、それを取り返す気持ちで自信を持って打ちました」と、湧川はそのシーンを振り返る。
「先生からはいつも『自分がやるのは当たり前。もっと求心力のあるプレーヤーになれ』と言われています。チームとしてミスがあったりダメな部分があった時に、そこでの声掛けが伶音の方ができていて。試合中の自分たちの声の掛け合いは練習じゃなくても修正できるので、みんなで話し合ってまずは明日しっかり修正したいと思います」
『バスケどころ』福岡開催のインターハイとあって、福岡県のチームには一際大きな歓声が送られている。それはプレッシャーにもなり得るが、片峯コーチは「後押ししていただいているとプラスにとらえています。選手の中にも変にプレッシャーを感じることはないと思います」と気にしていない。
湧川もプレッシャーは感じないと言い、こう続けた。「今回のインターハイのスローガンが『ありがとうを強さに変えて』で、地元開催でたくさんの人が拍手や歓声を送ってくれることに感謝して、その気持ちを自分たちのプレーに、強さに変えたいです。そうやって明日も絶対勝ちたいです」