来シーズンに向け守備のアイデンティティ構築を狙う
コービー・ブライアントの現役引退後、若手中心のチームで再スタートを切ったレイカーズ。若き指揮官ルーク・ウォルトンの下、序盤戦は若さが良い方向に出て思い切ったバスケを展開し、結果も伴っていたが、勢いだけで通用するほどNBAは甘くない。
12月の16試合で2勝14敗と大きく負け越し、年明けも調子が上がらない。順位はずるずると後退し、ついにサンズにかわされ西カンファレンスの最下位へと転落した。すでにプレーオフ進出は絶望的に。こうしてレイカーズは、今シーズンの残り試合を将来に向けたチームアイデンティティの構築に使うことを決めた。
ベテランガードのホセ・カルデロンを解雇した後、指揮官ルーク・ウォルトンは傘下であるDリーグのロサンゼルス・ディーフェンダーズからデイビッド・ナバを招集し、10日間契約を結んだ。
ナバを知るのはよほどコアなファンだけだろうが、その守備には定評がある。現在のレイカーズのディフェンスは崩壊状態。1試合の平均失点はNBA27位の110.8失点、被フィールドゴール成功率は29位の47.9%、速攻からの失点も28位の15.4失点と、成す術がない状態にまで悪化している。
ナバを獲得した最大の理由は、ペリメーター内で相手のシュートを止められる選手が現在のロスターにはいないからだと『Laker Nation』は伝えた。1993年生まれ(24歳)のナバは身長193cmながら、2月のDリーグ10試合で8.9リバウンド、1.3ブロックを記録している。
本来ならジョーダン・クラークソン、もしくは新人ブランドン・イングラムに期待したいところなのだが、両選手ともにウォルトンが考えるレベルに達していない。ウォルトンは『NBC LA』に「ディフェンス意識の強い選手を加えるのは重要なこと」と語った。
NBAでは守備が機能しないチームは勝てないし、守備をしない選手もスターにはなれない。ウォルトンはナバのディフェンス能力に期待するのはもちろん、ナバを使うことで他の選手のディフェンス意識を変えようとしているのだろう。
シーズン終盤をどれだけ活用できるか。スポットライトの当たらなくなったレイカーズで、ウォルトンは守備に対する意識改革を実行しようとしている。