プレーオフでは平均14.9得点、5.5アシストとレギュラーシーズン以上の活躍

ペイサーズが、先発ガードのアンドリュー・ネムハードと3年総額5900万ドル(約90億円)の契約延長に合意したと『ESPN』が伝えた。ペイサーズはプロ入り時に結んだ4年契約の最終年となる2025-26シーズンのチームオプションを破棄し、この新契約を締結した模様だ。

24歳のネムハードは、フロリダ大で2年間、ゴンザガ大で2年間プレーし、2021年には主力としてゴンザガのNCAAトーナメント準優勝に貢献。そして、2022年ドラフトで2巡目全体30位でペイサーズに加入した。

当時驚きを与えたのは、ペイサーズがネムハードと4年総額860万ドル(約13億円)、最初の3年間で640万ドル(約10億円)を保証する契約を結んだこと。この保証額は大学経由でNBA入りした2巡指名選手では史上最高額だった。ちなみに1巡指名選手の場合、プロ最初の2年間の契約が保証され、3年目と4年目はチームオプションとなっている。1巡目選手の2年に対し、ネムハードは3年と年数の違いはあるが、NBA入り時点においてネムハードは、同じ2022年ドラフト組の1巡目18位以下の選手たちよりも多くの年俸を確保していた。

そしてネムハードは、1年目から63試合の先発を含む75試合出場で平均9.5得点、4.5アシストと、高額契約を与えた首脳陣の期待に応えた。2年目の昨シーズンは、オフにFAで獲得したブルース・ブラウンの存在もあって開幕当初はベンチスタートだったが、前年と変わらない堅実なプレーを披露。そして1月にブラウンがパスカル・シアカム獲得を含むラプターズとのトレードで移籍して以降は先発に定着し、68試合出場で平均9.2得点、4,1アシストをマーク。タイリース・ハリバートン欠場時には司令塔の役割を務めるなど、1番、2番の両ポジションを難なくこなせるコンボカードとしてポストシーズン進出に貢献した。

さらにプレーオフでは全17試合に先発し平均32.6分出場、14.9得点、5.5アシストを記録。ハリバートンを欠いたセルティックスとのカンファレンス決勝では4試合で平均21.0得点、7.8アシスト、3ポイントシュート成功率47.6%と奮闘した。オフェンスでレギュラーシーズンを上回る好成績を残したネムハードだが、1対1で抜群の強さを見せる堅守も持ち味で、前から激しくプレッシャーをかけるオンボールディフェンスは、スタッツには現れないペイサーズの大きな武器となっている。

昨シーズン、ペイサーズで躍進を果たしたネムハードは、タレント揃いのカナダ代表の一員としてパリ五輪に出場する。待望の大型契約を締結し、より充実した状況で五輪の大舞台に臨む。