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『大切な資産』に無理をさせる必要はないとの判断

セブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、2014年のドラフト全体3位で指名されながら、右足の甲の骨を折るケガが長引き、2シーズンはプレー機会を得られず、今シーズンになってようやくデビューを果たした。

チームは彼のブレイクに喜びながらも、プレータイムを開幕当初は20分代前半に、その後も30分未満に制限し、2日連続の試合ではプレーさせず、コンディションを見ながら慎重に起用してきた。

エンビードはプレータイムを制限されながらも1試合平均20.2得点、7.8リバウンド、2.1アシストと、自分の力を示す機会のなかった過去2シーズンの鬱憤を晴らす大暴れ。一躍リーグの注目選手へと躍り出た。その優れたパフォーマンスはもちろん、スモールラインナップ全盛のNBAにおいて重厚で屈強なセンターが貴重となっている状況も重なり、大きな注目を集めた。中には「ティム・ダンカンの後継者」と見なす者さえいたほどだ。

だが、ここに来てまたケガが彼を妨げることになった。1月20日のブレイザーズ戦の後、左ひざを痛めたとして3試合を欠場。1月27日のロケッツ戦で復帰し、キャリアハイの33得点に次ぐ32得点を記録するも、その後は欠場が続いていた。

今週のMRI検査で左ひざ半月板の損傷が確認されたことで、チームは残り試合を欠場させることを発表。2年間も待たされたデビューシーズン、31試合の出場に留まることになった。

チーム関係者は「エンビードの健康やパフォーマンスを長期的に守るのが我々の目的」と、残るシーズンの欠場を発表した理由を説明する。

シクサーズとしては、昨年のドラフト全体1位で獲得したベン・シモンズのデビューを来シーズンに持ち越すことを発表している。有望な若手を擁するとはいえ、チームはまだ再建段階から抜け出してはいない。シクサーズはここまで60試合を戦って22勝38敗の東カンファレンス13位。『大切な資産』にここで無理をさせる必要はないとの判断だろう。

エンビードのように1年目を全休することになったドラフト1位のシモンズ。2人を大切に育てることがシクサーズ浮上のカギを握る。