「復帰してすぐにチームにフィットできると期待している」

アメリカ代表は、パリ五輪前の最後の強化試合となるドイツ戦に92-88で勝利。101-100で競り勝った南スーダン戦に続き、レブロン・ジェームズがここ一番での勝負強さを発揮して激闘を制した。アメリカ代表はカナダ戦、オーストラリア戦、セルビア戦を含む強化試合5試合を全勝で終えてパリ五輪に臨む。

NBAのスター選手で構成され、タレント力で他チームを大きく凌駕するアメリカ代表だけに、南スーダン戦、ドイツ戦とともに2試合続けて接戦となったことは想定外だったろう。

だが、どのチームよりも準備期間が短く、これまでの継続性もない急造チームなだけに、試合を重ねていくことで連携が増している伸び代はどのチームよりもある。加えて、接戦をしっかり勝ちきれたことは五輪本番に向けてプラス材料であり、総じて順調な仕上がりを見せていると言える。

そんなアメリカ代表において一抹の不安と言えるのが、強化試合すべてに欠場したケビン・デュラントのコンディションだ。NBA随一のスコアラーであるデュラントは、今回が4大会連続の五輪メンバー入りと国際大会の経験が豊富で、本来ならばスター揃いのチームにおいても先発を務める存在。しかし今回は本番に間に合うのかと不安視されている。

同じくコンディション不良だったカワイ・レナードがチームを離脱し、代役としてデリック・ホワイトが加入したように、デュラントも誰かに交代したほうがいいのではという声も出た。だが、スティーブ・カーヘッドコーチは「ケビンの代役は考えていない」と、新たなメンバー変更を実施しない考えを示し、次のようにデュラントへの信頼を強調した。

「私が言えるのは、ゴールデンステイトで彼をコーチした経験から、彼は故障から復帰した直後から本来の力を出せるということ。彼は史上最もスキルに長けた選手の1人であり、復帰してすぐにチームにフィットできると期待している」

デュラントが不在でも、アメリカ代表がパリ五輪における絶対的な大本命であることは間違いない。ただ、大会期間中の故障など、ここから不測の事態が起こる可能性もある。大事ではないにせよ、アメリカ代表は『デュラントのコンディション』という懸念材料を抱えて大会本番を迎えることになる。