カナダ代表

主役のガード陣、脇役のビッグマンで攻守分担が明確

MVP候補にもなったシェイ・ギルジャス・アレクサンダーを筆頭に、アメリカに次ぐスター軍団を構成するカナダは優勝候補の一角です。ガード陣だけならアメリカをも上回るタレントが揃う一方で、ウイングやビッグマンは選手層が薄く、スモールラインナップで勝機を見いだしていくことになります。

圧倒的な個人能力を持つシェイへの依存度が高いのがカナダの懸念でもありましたが、昨年のワールドカップには出場しなかったジャマール・マレーやアンドリュー・ネムハードが加わり、ガードはさらにスケールアップしました。高いシュート能力と勝負強さをもつマレーの存在は終盤の勝負どころでの選択肢を増やし、接戦で強さを発揮しそうです。

またチェイス能力の高いネムハードが加わり、ファウルしてでも粘り強く食らいつくディロン・ブルックス、強靭なフィジカルで追い込んでいくルーゲンツ・ドート、長い腕でボールを奪うニキール・アレクサンダー・ウォーカーと異なるタイプの強力なエースキラーが揃いました。ウイングのRJ・バレットも含めて、1on1では負けない選手が攻守に揃うのがカナダの特徴です。

ビッグマンにはケリー・オリニクとトレイ・ライルズのシュータータイプ、ドワイト・パウエルとケム・バーチのフィジカルタイプが名を連ねています。ハードワークや合わせのプレーが中心の脇役タイプばかりですが、言い換えれば主役となるガード陣との役割分担が明確で、チームとしての機能性はビッグマンの働きにかかっているとも言えます。

ポジションバランスは決して良いとは言えませんが、ミスマッチでも守り切れる能力を持った選手が揃い、ハードなディフェンスから早い展開に持ち込んでいくのがカナダの狙いです。スペイン、オーストラリア、ギリシャと同組の『死のグループ』ではありますが、終盤まで競った展開に持ち込めば、あとはシェイとマレーの両エースのクラッチ力で勝ちきる強さを発揮しそうです。