長距離砲爆発の川崎ブレイブサンダースが新潟を撃破、中地区首位対決は1勝1敗に

2019/03/17
Bリーグ&国内
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藤井祐眞

文・写真=鈴木栄一

守備からリズムを作った川崎、前日の雪辱を果たす

3月17日、川崎ブレイブサンダースが敵地で新潟アルビレックスBBと対戦。6本中4本を決めた藤井祐眞を筆頭にチーム全体で24本中13本成功と高確率で3ポイントシュートを決め、さらにはニック・ファジーカスが32得点、辻直人が21得点とオフェンスを牽引した川崎が81-72で前日の雪辱を果たした。この結果、中地区首位の新潟、2位の川崎のゲーム差は3に戻っている。

第1クォーター、新潟の庄司和広ヘッドコーチが「川崎さんがウイングにしっかりプレッシャーをかけてきて、出だしからボールが回らないような展開を作られてしまった。そこが前日との大きな違いでした」と振り返るように、川崎は最初からよく足が動く激しいディフェンスを展開。新潟にタフショットを打たせ守備からリズムを作ると、終盤に藤井祐眞の連続3ポイントシュートで突き放し、24-12と主導権を握る。

第2クォーターに入ると、新潟はオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスを決めていき、開始2分で5点差にまで詰め寄る。さらにエースのダバンテ・ガードナーが崩れた体勢からでも次々とシュート決め、このクォーターで15得点の大暴れ。残り約2分半には37-38と追いつく。

だが川崎は、直後から辻直人が十八番の3ポイントシュートを終了間際に決めるブザービーターを含め3本成功と爆発。これで第1クォーターと同じ12点リードにまで戻して前半を終えた。

ニック・ファジーカス

終盤に詰め寄られるも、ファジーカスと辻が試合を決める

第3クォーター、なんとか反撃を図りたい新潟だったが、川崎が引き続き確率良くシュートを決める中、「非常にフラストレーションが溜まり、自分たちでコントロールできないことに矢印が行ってしまいました」と指揮官が振り返るように、判定への異議でテクニカルファウルをもらうなど試合に集中できない。

残り1分を切ってガードナーが4つめのファウルを喫しベンチへ。この時点で川崎のリードは16点に広がった。第4クォーターに入るとガードナーに代わって出場した鵜澤潤が3ポイントシュートを沈めるなど、五十嵐圭、柏木真介、ガードナーと主力トリオ不在のラインアップが意地を見せて猛追。残り6分には上江田勇樹の3ポイントシュートで5点差にまで詰め寄った。

それでも、川崎はここでファジーカスが本日30点目の得点、さらに辻の3ポイントシュートとすぐにリードを2桁に戻して新潟の流れを断ち切り、このままリードを保って勝利した。

川崎の北卓也ヘッドコーチは「まずはアウェーを1勝1敗で乗り切れて良かった」と安堵の表情。その上で「昨日は出だしでリードされて追いかける展開となり、慌ててしまい正確にプレーできていなかった。それが今日はボールを動かしましょうと話しをして、ワイドオープンで3ポイントシュートを高確率で決められたのが勝因」と総括する。

ただ、指揮官は「3ポイントシュートが入ったら勝てる、とはなりたくないです。シュートが入らなくでもディフェンスで粘って勝てるようになりたい」と、気を引き締めた。

長谷川技

諸刃の剣の『実質オン3』から守備を立て直した長谷川

この試合、川崎は前日の試合で多用するも「昨日の試合後、ビデオを見ましたけど酷かったです。あり得ないミスもありました」と守備に綻びを見せたファジーカスと外国籍選手2人を同時起用するビッグラインアップを封印。結果的に、長谷川技を3番ポジションの軸で起用することでディフェンスの安定感が増し、失点を72に抑えた。

「長谷川にしてみればいつも通りのことをやってくれただけですが、彼が出ると守備は安定します」と、北も信頼を寄せる。しかし、この日の3得点5リバウンド7アシストだった長谷川に、指揮官は攻撃面での積極性も期待している。「入る、入らないにせよシュートをもっと打ってもらいたいです。相手のゾーン守備に対し、リングではなく、ニックばかりを見てしまっていました。3ポイントシュートの成功率も40%ありますので、守備を引きつけてパスなどもっとオフェンスに絡んでほしいです」

今日は使わなかったが、川崎にとってうまく噛み合った時の攻撃の爆発力はビッグラインアップが一番とも言える。一方で、現状では守備が不安定すぎる。「良い面と悪い面を比べてマイナスになるようだと良くない。もう少し考えながら作っていかないといけない」と北が語るように、威力抜群だが諸刃の剣となっているこの『実質オン・ザ・コート3』をどう活用していくか。指揮官にとって試行錯誤がまだまだ続きそうだ。

鵜澤潤

鵜澤を筆頭にセカンドユニットの奮起は明るい兆し

一方の新潟にとっては、連勝して地区優勝へ大きく近づくチャンスを逃したが、中心選手を欠いての終盤の追い上げは大きなプラス材料。庄司ヘッドコーチも「よくカムバックしてくれました。特にセカンドユニットは気持ちの入ったディフェンスでチームに勢いを与えてくれた。あのまま負けるのではなく、やり返せたことで次に繋がるゲームになりました。鵜澤を筆頭にチームとして下を向かずに戦ってくれたのは収穫です」と手応えを得る。

そして、「それもお客さんが、僕たちにあきらめさせないで勇気を与えてくれからです」と、4601人が詰めかけたファンの熱烈なサポートにも感謝していた。新潟といえば、ガードナー、ラモント・ハミルトン、五十嵐、柏木への依存度の大きさを指摘する声もある。それが、この首位決戦という大一番で、彼ら以外の選手も戦えることを示せた。課題である選手層の底上げへ向け、良いきっかけとなった。

両チームは3月27日に再び激突する。この2試合で得た収穫、課題を踏まえて、どんなプランで臨むのか、10日後に訪れる中地区首位攻防戦がまた楽しみだ。