バディ・ヒールド

「最善の準備をして新たなシーズンに臨むつもりだ」

今オフのバディ・ヒールドは、エリック・ゴードンとディアンドレ・エイトンとともにバハマ代表の一員としてオリンピック予選を戦い、本大会出場まであと1勝に迫ったが、最後は予選開催国スペインに78-86と敗れて目標達成とはならなかった。

それでも、アメリカに戻って来ても彼は忙しい夏を過ごしている。この間に彼はセブンティシクサーズからウォリアーズへとトレードされた。クレイ・トンプソンの退団で『スプラッシュ・ブラザーズ』が解散した後、ウォリアーズには生粋のシューターと呼べる選手がステフィン・カリーだけとなった。

3ポイントシュートで勝ってきたチームがその強みを維持するには、ヒールドが結果を出すしかない。それでもサンフランシスコにやって来たヒールドは「プレッシャーは感じていない。ただ自分らしくプレーすればいい」と語る。

「このチームでクレイは偉大な仕事をしてきた。攻守に貢献し、試合の流れを変え、チームにタイトルをもたらした。その役割を自分が担うとしても、重圧を感じるのではなく楽しみたい。自分がどこまでやれるのか試したいんだ。それにステフとプレーできるのも楽しみだ。彼のシュートのメカニズムやルーティーンを学ぶのは間違いなく面白いよ」

ウォリアーズはいまだ補強を検討しているが、最大のターゲットとされたラウリ・マルカネンについては、ブランディン・ポジェムスキーを要求するジャズとの交渉が交渉がまとまりそうにない。カリーがトップレベルを維持している限りは優勝を目指すのだが、そのためのビッグネームが獲得できない。

オーナーのジョー・ラコブは「できる限り競争力のあるチームを作りたいが、目の前の1シーズンに勝つためにチームの将来すべてを破綻させることがあってはならない」と語る。「ステフのために強いチームを作りたいが、それはステフのためだけではない。ファンのため、我々みんなのためだ。ステフも同意してくれている」

そういう意味で既存のメンバーが力を発揮するしかないし、2年1800万ドル(約27億円)で3年目と4年目の保証がわずかしかない契約で獲得できたヒールドにも大きな期待が寄せられる。

彼に求められるのは3ポイントシュートで間違いないが、チーム内の役割はまだ決まっていない。すべてはトレーニングキャンプが始まってからになるが、バックコートでカリーとコンビを組む選手としてはポジェムスキーとヒールド、同じく新戦力のディアンソニー・メルトンの3人がチーム内競争することになる。

「今はとにかく日々の練習と映像から学ぶことに集中するよ。ステフやドレイモンド、アンドリューのプレーを見るのは楽しいし、スティーブ・カーのコーチングも興味深い」とヒールドは言う。ウォリアーズのバスケは完成されており、新たな選手にとって順応は簡単ではないが、バハマ代表を率いるクリス・デマルコはウォリアーズのアシスタントコーチでもあり、その存在が助けになる。

チームとしての活動が始まるのはまだまだ先だ。予定していたオリンピックがなくなってしまい、ヒールドはオフを持て余すことになった。「毎日を大切に過ごしたい」とヒールドは言う。「僕の自宅はダラスにあって、バハマと行き来しているんだけど、まずはベイエリアで家を探す。ファンが情熱的なのは知っているし、街も素敵だから楽しみだ。新たに加わる選手はみんなワクワクしていると思うけど、僕も同じだよ。最善の準備をして新たなシーズンに臨むつもりだ」