「五輪に出場するために彼が払った犠牲をすべて知っている。だから、とても残念だ」
クリッパーズのカワイ・レナードは故障からの回復途中で、新シーズンへの準備を優先するためにパリ五輪のアメリカ代表から離脱した。USAバスケットボールが発表したリリースでは、「この夏の残り期間をパリ五輪より次のシーズンに向けての準備に費やすことが彼自身にとって最善の利益になるという、USAバスケットボールとクリッパーズの決定を尊重しています」と書かれており、クリッパーズの同意の上での決断と思われていた。しかし、実際はそうではない模様だ。
サマーリーグが開催されているラスベガスでメディア取材に応じたクリッパーズのバスケットボール部門代表ローレンス・フランクは「これはUSAバスケットボールの決定で、私はとても失望している。カワイは代表でプレーしたがっていたし、私たちも彼をプレーさせたかった」と語った。
このようにフランクは、レナードの代表離脱はクリッパーズ側が希望したことではないと強調している。また、レナードは昨シーズンのプレーオフファーストラウンドで膝の状態を悪化させて離脱していたが順調に回復しており、パリ五輪への出場をコンディション面で問題視していなかったと続けている。
「(アメリカ代表の)最初の2回の練習に立ち会ったが、彼はとても調子が良さそうですべての練習に参加していた。カワイにもっと時間を与えてほしかった。私たちは5年間、カワイを見てきている。そして私には彼の状態は良く見えた。五輪に出場するために彼が払った犠牲をすべて知っている。だから、とても残念だ」
アメリカ代表はレナードの代役としてデリック・ホワイトをすでに招集している。パリ五輪に向けて調整を進めている代表に余計な雑音を入れないために、この件について深く言及されることはないかもしれない。ただ、クリッパーズとレナード側にとっては、後味の悪い結末となったことは否めない。