「彼はすぐに適応して、出場機会を掴むことになるだろう」

昨シーズン、スパーズはドラフト全体1位でビクター・ウェンバニャマを指名。多くの注目が集まる中、ウェンバニャマは期待に応える素晴らしいパフォーマンスを見せたのが記憶に新しい。2年連続で22勝60敗と低迷しているスパーズだが、オフにはクリス・ポールとハリソン・バーンズのベテランを獲得するなど、新シーズンは下位から脱却する姿勢を強く見せている。

この新生スパーズにおいて、楽しみな存在が今年のドラフト全体4位で獲得したコネティカット大出身のガード、ステフォン・キャッスルだ。昨シーズン、1年生ながら先発ガードとしてコネティカット大のNCAAトーナメント優勝に貢献。3ポイントシュートに難はあるが、プレーメイクとディフェンス力に長けた198cmの大型ポイントガードとして高い評価を受けている。

そして、現地12日のトレイルブレイザーズ戦で22得点5リバウンド4アシストを挙げるなど、サマーリーグで大器の片鱗をのぞかせるプレーを披露した。まだ、19歳と経験不足なキャッスルだが、スパーズのグレッグ・ポポビッチヘッドコーチは、「若い選手の中では、成熟していて好きだ」と恵まれた身体能力に加え、メンタル面にも好印象を受けている。

「彼は表情が全く変わらない。そして安定していて、速すぎず遅すぎないペースでプレーしている。彼は試合の展開をうまく読んでいて、試合を重ねることで、もっと成長していける。コンタクトに躊躇しないし、守備に優れている。そして賢い決断をしている」

また、指揮官は「彼はすぐに適応して、出場機会をつかむことになるだろう」と言い、1年目から出番が多くなることを示唆した。

ウェンバニャマは例外中の例外で、10代のルーキーが中心選手としていきなり大活躍するのは難しい。だが、キャッスルが1年目からローテーション入りし、プレータイムを得る可能性は十分にある。ポールという育成能力に長けたNBA随一のメンターの下、キャッスルがどんな進化を遂げていくのか。右手首の捻挫のため、今後は欠場する見込みだが、楽しみが大きく膨らむサマーリーグでの活躍となった。