レブロン・ジェームズ

写真=Getty Images

上位陣も主力を温存しない可能性大

レブロン・ジェームズは、ここ13年連続のプレーオフ進出、そして8年連続のNBAファイナル進出を果たしてきたが、今年の4月は例年と異なる過ごし方になる可能性が高いことを自覚している。

3月12日のブルズ戦で36得点10リバウンド4アシストを記録し、123-107での勝利に貢献したレブロンは「試合を重ねるごとに、自分たちがプレーオフに勝ち進めるチャンスはなくなりつつある。西カンファレンスの多くのチームが良いプレーをしているからね」と語った。

『キング』レブロンには似合わない発言だが、これがレイカーズでの1年目に経験した現実だ。レブロン自身を含め、主力の離脱による影響が大きかったのは否めない。トレードデッドライン前には、チームケミストリーを揺るがす事態も経験した。しかし、昨夏レイカーズと4年契約を結んだレブロンは、名門の立て直しが簡単なミッションにならないことを理解していた。

西の8位争いから早々に脱落した以上、もう残り試合を休んでも、誰も批判しない状況ではある。チームもレブロンの出場時間を制限するという報道もあったが、彼は休まず出場し続けている。そしてブルズ戦後、来週まで続く遠征中に対戦するラプターズ、バックスら強豪との試合を、若い選手たちにとっての『仮想プレーオフ』にすべきと言う。

「これからも、プレーオフに進出するチームとの対戦が続く。ウチの若い選手にとっては、敵地でプレーオフレベルのチームと対戦するのは、成長する上でとても重要。次の試合ではトロントと対戦するし、その次はプレーオフ圏内のデトロイト(ピストンズ)、そして今回の遠征最終戦ではミルウォーキーと対戦する。彼らはプレーオフレベルのチームで、優れたチーム。自分たち次第で、プレーオフさながらの試合にすることができる。若い選手たちにとって学ぶ機会になるし、そんな彼らと自分が一緒にプレーできる機会にもなる。このチャンスを生かすよ」

今春はプレーオフでレブロンの姿が見られないだろうが、今回の遠征後も、ジャズ、サンダー、ウォリアーズ、クリッパーズ、トレイルブレイザーズとの試合が残っている。例年通りなら、西の順位は最終戦近くまで決まらないことが多く、上位陣も主力を温存せずに真剣モードでの試合になるだろう。

まだ気は早いが、来シーズンへ弾みをつけるためにも、『仮想プレーオフ』がレイカーズにもたらすものは、決して小さくない。