ポール・ジョージ

クリッパーズの提示した3年契約を受け入れず

今オフのフリーエージェント市場で最大の大物であるポール・ジョージが、セブンティシクサーズと4年2億1200万ドル(約320億円)の契約を結んだと『ESPN』が報じた。シクサーズはオーナーのジョシュ・ハリス、ダリル・モーリー球団社長といった首脳陣が揃ってジョージと交渉するためロサンゼルスへと出向き、契約へと漕ぎ着けたという。

クリッパーズはジョージの残留を望んでいたが、先にカワイ・レナードの譲歩を取り付けて3年契約を結んだことで、逆にジョージの望む4年契約を提示できなくなった。クリッパーズはカワイと足並みを揃えて3年契約を提案するも、これが大きな契約を得られる最後のチャンスとなるであろうジョージはこれに同意しなかった。

そしてシクサーズは、今オフのチーム刷新を前々から計画していた。これまでジョエル・エンビードに次ぐNo.2だったトバイアス・ハリスとの長期契約が切れる今オフに照準を合わせて、他のほとんどの選手の契約を昨シーズン限りで満了となるように設定し、今オフに再建チームのようなキャップスペースを作り出したことで、ジョージにマックス契約を提示できた。

もちろん、ここにはリスクもある。ジョージはいまだトップコンディションを維持しているが、相次ぐケガに悩まされるキャリアを送ってきた選手でもある。ジョージへの4年契約をクリッパーズが躊躇したのは、彼が34歳であることに加え、ケガのリスクを考えたからだ。

しかしシクサーズはその彼に賭け、エンビードとジョージ、タイリース・マクシーの『ビッグ3』の時代を迎える。

4年目を終えた23歳のマクシーはルーキー契約が終わるタイミングを迎えており、フリーエージェント市場に一区切りが付き次第、マックス額での更新が確実となっている。その他にもシクサーズはケリー・ウーブレイJr.と2年1630万ドル(約25億円)の新契約を結んで残留させ、エリック・ゴードンとアンドレ・ドラモンドの獲得も決めている。

ジョージは2017年オフにペイサーズからサンダーへと移って以来、7年ぶりに東カンファレンスに戻って来る。新生シクサーズは各ポジションがこれまで以上に充実し、王者セルティックスを追う体制が整う。ジョージの年齢と健康面にリスクがあるからこそ、その契約期間である4年と言わず、すぐにタイトルを手に入れたいところだ。