ビハインドから延長戦に持ち込むこと2度、三遠ネオフェニックスが名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの『消耗戦』を制す

2017/02/26
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

鈴木のゲームメークで先行する三遠、追う名古屋D

中地区と西地区の2位、三遠ネオフェニックスと名古屋ダイヤモンドドルフィンズの対戦。ホームの三遠が接戦を制した第一戦に続き、両チームともタフな戦いを演じる展開となった。

豊橋市総合体育館は過去最多の4498人の観客を集め、2階席までギッシリ埋まった。その声援を受けて立ち上がりから積極的なプレーを見せたのは三遠だった。

ポイントガードの鈴木達也が第1戦でも9アシストと好調。動きにキレがあり周囲も良く見えている鈴木が、自らのドライブで揺さぶってからのパスでイージーチャンスを作り出す。ロバート・ドジャーがこれを次々と決めて第1クォーターから13得点と爆発。守備ではジョシュ・チルドレスがリバウンドを制し、まずは優位に立った。

しかし、ドジャーとチルドレスに得点が偏る三遠は、外国籍選手オン・ザ・コート「1」の第2クォーターになると失速してしまう。ボールを持ってアタックを開始する鈴木のゲームメークに対し、ひとまずペイントを固める名古屋Dのシンプルな対策も効いた。

ここから三遠は我慢の時間帯に。外国籍選手に得点が偏る三遠とは対照的に、張本天傑や中東泰斗、笹山貴哉もフィニッシュに絡む多彩なオフェンスを止められず追撃を許す。第3クォーターに逆転を許し、そこからは踏ん張り一進一退の攻防に持ち込むも、51-54とビハインドを背負って第3クォーターを終えた。

ド迫力の個人技で押す三遠、多彩な攻めで魅せる名古屋D

外国籍選手オン・ザ・コートはともに「2」の第4クォーター。三遠はチルドレス、ドジャー、太田敦也を同時起用するビッグラインナップで勝負に出る。チルドレスがダブルクラッチでの連続得点にバスケット・カウントの3点プレーをもぎ取れば、ティルマンは3ポイントシュートを沈める。迫力では三遠が上回るが、名古屋Dは笹山や石崎巧が幅広い攻めを演出し、両者一歩も引かない展開に。

残り28秒、75-77と2点ビハインドの場面。ポゼッションを持つ名古屋Dがタイムアウトを取り、リードをどう守るかの意思統一を図る。三遠としてはファウルゲームに持ち込むかどうか、という場面。ところが、ここで思わぬチャンスが転がり込む。リスタートのボールを受けたティルマンが床に足を滑らせて転倒。そのまま速攻に持ち込んだチルドレスが得点、しかもバスケット・カウントのワンスローも決めて78-77と一気に逆転したのだ。

チルドレスのガッツポーズに沸きに沸いた会場だが、その後の笹山のジャンプシュートに凍り付く。ファウルゲームからティルマンにフリースローを1本決められ78-80、残り8秒で最後の攻撃に。

もちろん、ここで使うのはチルドレス。ゴール下に飛び込む元NBAプレーヤーを名古屋Dは4人がかりで止めに行くも、チルドレスはファウルをもぎ取る。昨日からすべてのフリースローを決めているチルドレスはここでも2本を決めて80-80、試合は延長へともつれ込んだ。

三遠のビッグラインナップが名古屋Dを苦しめる

延長戦、オン・ザ・コートは第4クォーターに引き続き「2」。ビッグラインナップに対してチルドレスのマークに付く張本が個人4つとファウルトラブルに陥っており、三遠はレギュラータイム以上にチルドレスにボールを集めて勝負させた。

この作戦が当たり、立ち上がりからチルドレスがジャンプシュートと3ポイントシュートを沈めて一歩抜け出すが、ここから猛反撃を浴びる。それまでの丁寧なパスワークから一転、個人で強引に仕掛ける名古屋Dのオフェンスに対応できず、ティルマン、デイビット・ウィーバーの連続バスケット・カウントの3点プレー、さらにウィーバーにもう1回3点プレーを決められ、残り47秒で87-92と突き放される。

それでも三遠はここからもう一伸び。チルドレスからドジャーへの連携でバスケット・カウントの3点プレーを決めて2点差に詰め寄ると、笹山のタフショットを誘い残り28秒で最後の攻撃。延長で挙げた10得点は、アシストも得点もすべてチルドレスとドジャーによるもので、名古屋Dの守備の意識は完全にこの2人に向けられていた。

その間隙を突いてドジャーからパスを託された田渡修人が、ワンフェイクでマークを飛ばしてそのままリングにアタック、同点となるレイアップを沈めて、92-92の同点。名古屋Dは残り9秒のポゼッションで攻め切れず、試合はダブル・オーバータイムに突入した。

ここでドジャーが再び爆発、ジャンプシュートと3ポイントシュートを立て続けに決める。ドライブレイアップを試みたチルドレスが止められるも、太田がすぐさまカバーしてコーナーに展開。待ち受けたドジャーが正確なミドルジャンパーを決めて99-96と突き放す。

結局はこれが決定打となった。直後、ドジャーは5ファウルで退場となるも、アルー・アシャオルがその役割を引き継ぐ。両チームとも疲労困憊の中、ビッグラインナップを敷く三遠の高さは効力を発揮。24秒バイオレーションを誘い、残り15秒からのファウルゲームを無難に乗り切り、102-98で決着。三遠が連勝という結果となった。

ティルマン、バーレル不在の攻守を支える大奮闘

2度のビハインドから延長へと持ち込み、最後は勝ち切った三遠の奮闘は素晴らしかった。この日の観客は4498人。これまでの記録はBリーグ開幕戦(昨年9月24日、川崎戦)の3315人。昨日は新記録となる4049人を動員したが、2日連続での記録更新となった。

激闘を制し、ファンの前でマイクを握った太田は「皆さんの声援のおかげで最後まで戦えました」と感謝の気持ちを伝えた。実際、ファンの後押しがなかったら、瀬戸際の戦いをここまで続けるのは難しかっただろう。

一方で名古屋Dの健闘も称えるべきだ。延長戦、チルドレスが肩で息をするシーンが見られたが、この試合で最も長くプレーしたのはティルマンの45分。その他、張本と笹山のプレータイムが40分を超えた。ジャスティン・バーレルのケガで外国籍選手が2人しかいない状況で、ダブル・オーバータイムの『消耗戦』は厳しかった。さらにはそれを見越してドジャー、チルドレス、太田のビッグラインナップを使い続けた三遠の藤田弘輝ヘッドコーチの作戦勝ちとも言える。

名古屋Dはこれで5連敗。これだけ消耗する戦いの末に結果が出ないのではガッカリもするだろうが、切り替えが大切となる。一方の三遠は3連勝。中地区の2位をがっちりとキープしている。