文・写真=鈴木栄一

雪辱を期す琉球をさらに上回る攻守の出来で完勝

2月26日、千葉ジェッツが敵地で琉球ゴールデンキングスと対戦した。この日、ゲームハイの26得点を挙げたタイラー・ストーンが要所で得点を重ね、千葉が80-71で勝利を収めた。

前日の試合は、千葉が第1クォーターで2桁リードを奪うと、一時は30点差にまで突き放すなど攻守で圧倒。89-71で余裕の勝利を収めた。

しかし、今日は雪辱を期す琉球が、前日とは違い第1クォーターからゴール下に積極的なアタックを仕掛け、ミスも減らして食らい付いていく。第2クォーターには本日23得点を挙げたレイショーン・テリーの活躍もあり、28-27と勝ち越す場面もあったが、千葉は小野龍猛の得点などですぐにリードを奪い返し、5点リードで前半を終える。

後半、追い上げを図る琉球だが、千葉はストーン、本日19得点をマークした小野の活躍などで、しっかりとリードをキープ。第4クォーターは常に7点以上をリードする危なげない展開で逃げ切った。千葉の大野篤史ヘッドコーチは、「オフェンスのリズムが取れない中、ディフェンスで勝ち切ることができました」と総括している。

「第1クォーターに勝つと試合運びは全然違ってきます」

司令塔の富樫勇樹は、「昨日のような試合にはならないとさすがに思っていたので、苦しい時間帯にもチームみんながしっかり役割を果たせました」とコメント。さらに「オフェンスがダメになる時は、ディフェンスでも崩れて同点、逆転されることがあります。今日はオフェンスでリズムをつかめない時もありましたが、ディフェンスで大きく崩れる時間帯はなかったと思います。苦しい時もタイラーなど誰かがつないで、逆転されることなく5、6点のリードをキープできたのはよかったです」と勝利を分析している。

千葉は『オールジャパン』終了後、第1クォーターで後手になる展開が続いていた。ポイントガードとして富樫としては気に病む部分ではあったのだが、今節は2試合続けて第1クォーターでリードを奪った。

「これまで第1クォーターでは11試合連続で同点か負けていましたのが、昨日は久しぶりに勝ち、大差で終えることができた。第1クォーターに勝つと試合運びは全然違ってきます。試合の入りは、これからも大事にしていきたいと思います」と富樫はその効果を語っている。

また、本日のヒーローであるストーンは、「千葉が今までの歴史上、沖縄に勝ったことがなかったので、非常に重要な試合と認識していた」とコメント。そして「昨日より相手がタフに戦うことは分かっていたので、そこで受け身にならずタフになることを意識していました。トップを狙える中で勝ち切れたことは大きかったです」と続けた。

東地区のライバルである栃木ブレックス、アルバルク東京は今節に揃って1敗を喫した。首位の栃木と千葉はまだ直接対決を4試合残しており、自力でカンファレンス首位に立つことが可能だ。課題の出だしの悪さを解消し連勝した千葉が、これからさらに東地区の首位争いを面白くしていく。