ルーニーの契約行使「選手、チームメート、この組織のコアメンバーとして大切な存在」
今シーズン、ウォリアーズはプレーイン・トーナメントで敗退してプレーオフ進出を逃した。今夏にロスター再編による立て直しが急務な中、マイク・ダンリービーGMは、新シーズンに向けたチーム編成について言及している。
今オフ、ウォリアーズで一番の注目ポイントとなるのはFAとなっているクレイ・トンプソンと再契約を結ぶのかどうかだ。シーズン終了後、トンプソンはSNSでウォリアーズ公式アカウントのフォローを外し、ここ数年のチームに関連した多くの投稿を削除するなど、移籍を示唆する行動をしている。また、サラリーキャップ超過によるラグジュアリータックスの支払いに苦しむウォリアーズは、他チームよりも低いオファーしか提示しないと見られており、移籍濃厚というのが周囲の予想だ。ただ、ダンリービーは、当然のように交渉の詳細について明言を避けつつ「私たちは、彼に戻ってきてほしい」とトンプソンの残留を希望している。
トンプソンの去就に関わらず、ウォリアーズには何らかのテコ入れが不可欠だ。それだけに先日、ケボン・ルーニーに新シーズンの年俸800万ドル(約13億円)を保証する決断を下したことは少なくない驚きだった。ゴール下の堅実なディフェンス、シューターを生かすスクリーンなどに定評のあるルーニーは、複数のNBA制覇に貢献してきたロールプレーヤーだ。しかし、昨シーズンは後半戦から出番が減り、平均16.1分出場、4.5得点、5.7リバウンドに終わるなどここ3シーズンで最も低調なパフォーマンスだった。そのためチームの若返りを促進し、新戦力を獲得できるサラリーキャップのスペースを生み出すためにルーニーを放出すると見られていた。
ダンリービーは、次のようにルーニーについて語る。「私たちは彼を選手、チームメート、この組織のコアメンバーとして大切な存在だと思っている。だからこそ、彼なしで歩みを進めていくこと、何の見返りなく彼を失うことは、私たちにとって妥当な選択ではなかった」
ただ、この発言が示唆するように見返りがあるなら放出もやぶさかではなく、今後ルーニーがトレードの駒となる可能性は残っている。そして、ダンリービーは、現有戦力の底上げが何よりも重要になると強調している。
「私は内部育成こそが、チーム力強化の最善の手段だと信じている。私は、育成を重視する人物だ。若い選手たちが成長していくチャンスは本当に大きいと見ている。ここ数年、このチームにいる選手たちも含まれている。彼らが成長していくことが最も重要なことだ」
サラリーキャップ超過による制限は、ウォリアーズの補強戦略において大きな足枷となっている。また、ステフィン・カリーがいる以上、チーム再建に大きく舵をきる道はない。限られた選択肢の中、ダンリービーがどんな手を打つのか、7月に入ってからの動きは興味深い。