「これまでコネチカットで築いてきたチャンピオンの文化をとても誇りに思います」
コネチカット大ヘッドコーチのダン・ハーリー氏が、レイカーズのオファーを断ったことが明らかになった。
ハーリー氏はコネチカット大バスケットボール部の公式SNSで、次の声明を発表。「私は、今回の経験を謙虚に受け止めています。1日の終わりに、これまでコネチカットで築いてきたチャンピオンの文化をとても誇りに思います。今日のワークアウトの前、チームミーティングを行いました。この夏に成長すること。そして、チャンピオンとなるためチームの結束力を高めることにフォーカスしています」
51歳のハーリー氏は、ワグナー大、ロードアイランド大での指揮官を経て、2018-19シーズンからコネチカット大の指揮をとっている。最初の4年間は、NCAAトーナメントに2回出場するもともに1回戦敗退と結果を残せなかったが、2023年、24年にはトーナメント連覇を達成。特筆すべきは、1試合の平均得失点差で2年連続で+20を記録したこと。今年のトーナメントでも、ビハインドだった時間帯は全6試合を通してわずか約6分半という圧倒的な強さを見せていた。
アメリカバスケ界では長らく、NBAで指揮を執る元NCAAの名将が結果を残せない時代が続いていたが、ここ10年のスパンで見ると、元フロリダ大のビリー・ドノバン(現ブルズ)、元バトラー大のブラッド・スティーブンス(元セルティックスHC、現GM)など、両カテゴリーで結果を残すコーチも出現。こういった背景も影響してか、ハーリー氏はレイカーズから6年総額7,000万ドル(約110億円)と、リーグ屈指の大型契約のオファーを受けていたと報じられていた。
NCAAで歴史を作り、NBA随一の名門チームの大型契約を勝ち取るのは大きなサスセスストーリーとなる。だが、今回ハーリー氏はコネチカット大への愛着と忠誠心を優先。伝説の名将ジョン・ウッデンが1967年から73年にかけて7連覇を達成して以来となる、トーナメント3連覇を目指す道を選択した。また、昨年ハーリー氏は同大と6年総額3,210万ドル(約50億円)の契約延長を結んだが、今回の一件を経て総額5,000万ドル(約78億円)の契約見直しを行うとも報じられている。
報酬面も含め、名実ともにNCAA随一の地位を得たハーリー氏率いるコネチカット大が、新シーズンはどんな戦いを見せるのか。より大きなスポットライトを浴びることになりそうだ。