滋賀レイクスターズのバックコート・コンビである並里成と狩野祐介。前回に引き続き福岡第一高校の先輩と後輩である2人に、終盤戦に向けた巻き返しについて意気込みを語ってもらった。
狩野「成さんのパスのスピードは尋常じゃないです」
──2人とも今シーズンから滋賀でプレーしているし、並里選手に至っては開幕後の加入でした。そんな状況で2人のように昔から知っている選手がいるメリットはありますか?
並里 やっぱりやりやすいですよ。自分はスタイルがそんなに変わっていないし、ユースケも変わっていない。お互いのことを知っているので、微妙なタイミングでも何となく合ったりします。
狩野 僕もやりやすいです。僕のプレースタイルというのはスクリーンをもらってからポップしたりカールしたりズレを作って打つシュートなんですけど、僕は自分のタイミングで動いて、そこにパスが欲しい。でも相手のディフェンスもあるので、なかなかその場所にパスは来てくれないんです。そこにパスをしてくれるのが成さんです。高校から一緒にやっていて僕がどこに動くのか分かっているので、良いパスが来ますね。
──散々語られてはいると思うんですが、並里選手のどこがすごいですか?
狩野 パスのスピードが尋常じゃないですね。高校の時はキャッチミスするとブチギレられてヤバかったです。本当に集中していないとキャッチできないぐらい強いですから。でも、ノーマークになった時に早くパスがこないとチェックに来られてしまうので、レベルが上がれば上がるほど、シューターにとって速いパスはありがたいんです。
──並里選手から見た狩野選手の良さはどこでしょう?
並里 ここに来てほしいと思った時にいるんですよね。そこでしっかり打つし、シュートの確率も良いので、こちらも気持ちいいです。特にファストブレイクで出して打ってくれる部分ですね。
並里「パス以外は田臥さんを上回っているんですけど」
──滋賀はここまで8勝30敗、勝率でリーグ最下位です(取材は2月21日)。途中、11連敗を喫しましたが、ここまでの連敗は2人には初めての経験かと思います。
狩野 それだけの連敗はしたことがないですね。でも、僕は中学は強い学校じゃなかったので、たくさん負けていました。高校や大学ではそれ以上につらい思いをしています。高校と大学のすべての大会で2位になっているんです。それに加えて病気になったりとか、いろんな経験をしてきているので。
並里 結果として負けるのは悔しいですが、僅差で負けた試合が本当に多いので、そこがポイントになります。実際に11連敗していた時でも、どこと対戦しても「かなわない」という感じではなかったので。11連敗についてはもう忘れて、前を向いて戦います。
──ちなみに個人として、ポイントガードとしても他の選手には負けていないという感触を得られていますか?
並里 パスのセンスでは、このリーグでは田臥さんの次くらいですかね。それ以外は田臥さんを上回っているんですけど、パスだけはかなわない。田臥さんのパスは本当に素晴らしいですよ。
──B1残留を考えると、相当な巻き返しが必要となります。ここからアルバルク東京、栃木ブレックス、千葉ジェッツとリーグ屈指の強豪との対戦が続きますが、ここでも勝ちを拾っていく必要がありますね。
並里 僕はすごく楽しみなんです。上位チームを倒したいがためにやっている部分があるので。勝率に関係なく、強いチームにも勝てるんだということを証明したいです。上位チームを見た時に、何が自分たちより上回っているかと言うと、実はあまり見当たらない。自分たちでも勝てる相手だと、正直そう思っているので、自信がないことはないですよね。
狩野 上位チームに勝てれば自信になります。強豪との連戦で1勝ずつでも必ず取っていこうと考えています。実際のところ、結果を残さないと次はないと思っています。個人的にももう独り身ではないので、守るべきものが増えたことが強みになっています。
狩野「上位のチームを倒して世間をびっくりさせたい」
──では、滋賀の巻き返しを実現させるために必要なものは何ですか?
狩野 さっき成さんも言っていたように接戦をほとんど落としてきているので、接戦を勝ち切る力が必要です。良い時は本当に強いのですが、悪い時は相手が強いとかではなく、自分たちから崩れてしまう。自分たちのミスを減らしつつ、競った時に勝ち切るためのプレー、そういうものを明確にしていけば、勝ちは1つずつ増えていくと思っています。
並里 必要なのは『我慢』ですね。細かい話になりますが、ついついシュートブロックに行きたいとかスティールしたいとかあるじゃないですか。そこを『我慢』してリングとボールの間を守る。その我慢強さが必要だと思います。
──最後の質問の前に、ずっと聞きたかったんですけど、なんで金髪に?
並里 金髪は明るいじゃないですか。僕の心と一緒です。金星を挙げるということで(笑)。
──では最後に、終盤戦に向けた抱負を一言ずつお願いします。
狩野 今は最下位に位置していますが、最下位のチームでも上位を倒せると思っています。実際に倒してみせて、世間をびっくりさせたいと思います。
並里 そのとおり。僕もレベルが上に行けば行くほど本領発揮するタイプだと自分で勘違いしているので(笑)、それを有言実行して、証明していきたいと思います。
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