セルティックス

マーベリックスはカイリーが不発、ワンサイドゲームに

セルティックスとマーベリックスが激突するNBAファイナル。その第1戦はセルティックスがあらゆる面で上回り、107-89の快勝を収めた。

立ち上がりは両チームが快調にシュートを決めて点を取り合う展開となったが、開始5分で先発のアル・ホーフォードに代わって投入されたクリスタプス・ポルジンギスが試合の流れを一気にセルティックスへと引き寄せる。ふくらはぎの肉離れで1カ月近く戦線離脱していたが、このNBAファイナルに合わせて復帰したポルジンギスは、リムプロテクトで圧力をかけてマブスのシュートを落とさせ、カイリー・アービングの変則的なステップにも惑わされずにジャンプシュートをブロックし、ジョシュ・グリーンが速攻からそのまま狙ったダンクも完璧なブロックショットではたき落とした。

こうしてマブスのリズムが乱れた一方で、セルティックスは全員でパスを回し、誰もがアタックできるバランスの良さを生かす。良いチャンスを作り出しては高確率で決め、第1クォーターだけで3ポイントシュート17本中8本成功、37-20と大量リードを奪った。

マブスはルカ・ドンチッチにボールを集め、そこからの展開で窮地を打開しようとするが、ドライブからのキックアウトでワイドオープンを作っても味方が決められず、ここまで大きな武器となってきたデレック・ライブリー二世とのアリウープも呼吸が合わず、フラストレーションを溜めることになった。セルティックスはポルジンギスがベンチに下がった時間帯にジェイレン・ブラウンがオフェンスを引っ張り、第2クォーターも26-22として21点リードで前半を終えた。

ハーフタイムで落ち着きを取り戻したマーベリックスは、後半開始から22-9のランで反撃。前半は当たり続けたセルティックスの3ポイントシュートがようやく止まったのと、ドンチッチが自分で仕掛けてフィニッシュまで決めきることで、点差を1桁へと詰めた。

それでも、個人技での強引なプレーで作った流れは長くは続かない。主にホリデーにマークされ、かわしてもブラウンがすぐさまヘルプに入る厳しいディフェンスを受けたカイリー・アービングのシュートが決まらなかったのがマブスには痛手だった。さらに、オフェンスで苦戦しながらもディフェンスとリバウンドで身体を張っていたライブリー二世が第3クォーター中盤で個人ファウル5つでベンチに下がることに。これでマブスの時間帯は終わり、絶好調を維持するブラウンが再び試合を支配することになった。

第4クォーター開始時点で86-66と20点差。マブスはドンチッチが攻め続けるも、やはりチームとしてリズムに乗れない。こうして単調な攻めになったところで、ペイトン・プリチャードの身体を張ったディフェンスにドンチッチがボールを止めた一瞬の隙に、デリック・ホワイトに背後からのスティールを許してワンマン速攻に持ち込まれるなど、試合の要所要所でビッグプレーを繰り出すのは常にセルティックスだった。

残り5分、75-100の場面でマブスはドンチッチとカイリーをベンチに下げた。残り2分40秒でセルティックスも主力を下げることに。ブラウンは22得点6リバウンド2アシスト3スティール3ブロック、ポルジンギスは20得点6リバウンド3ブロックを記録。マブスではドンチッチが30得点10リバウンドを挙げるも、カイリーは12得点と不発に終わった。

攻守にバランスの取れたセルティックスに対し、第2戦以降のマブスがまずオフェンスで良い形を作れるか。一方的な試合展開となったが、まだNBAファイナルは始まったばかりだ。