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ローズにとってはブルズ時代の恩師と再会するチャンス

キングスがフランチャイズプレーヤーのデマーカス・カズンズをペリカンズにトレードするという爆弾を落としたことをきっかけに、数々の移籍の噂が出てきた。今シーズンのトレード期限である23日までに大型トレードがさらに成立するかもしれない。

以前からトレードの噂でもちきりなのはニックスのカーメロ・アンソニーだが、ここにきてデリック・ローズがティンバーウルブズにトレードされる可能性が浮上している。

『ESPN』によれば、ウルブズのバスケットボール部門代表とヘッドコーチを兼任するトム・ティボドーが、ローズの獲得についてニックスに照会中だという。気になるのはウルブズが誰を交換要員に出すか。『ESPN』は、ウルブズがリッキー・ルビオとローズの交換トレードを狙っていると伝えた。

アンソニーの契約には『トレード拒否条項』が含まれているため、ニックスが同選手を放出したくても本人から承諾を得られない限り成立することはない。だがローズであれば、開幕時点での期待に応えられていないという現状、そしてシーズン終了後にフリーエージェントになることもあり、交換要員として考えやすい。

ローズにとっても、2010年から15年までブルズで指揮を執り、信頼関係が出来上がっているティボドーの下でプレーすることに異論はないだろう。以前から今オフに複数年契約締結を希望しているローズにとっても、もし今回のトレードが実現し、ウルブズのプレーオフ進出に貢献できれば、同チーム、あるいは他チームと良い契約を結ぶことができる。

シカゴに住む家族と離れて暮らすことで精神的に不安定な状態に陥り、チームに無断で試合を欠場し、指揮官ジェフ・ホーナセックとの衝突が報じられるなど、ローズの不振の原因はプレーに集中できない環境にありそうだ。

その点、ティボドーならローズのプレースタイルを把握し、その能力を最大限に生かす術を熟知している。ローズにとっても、新たな環境を手にできること以外に、ニューヨークよりもミネソタの方がシカゴに近いというメリットもある。

ルビオは26歳の天才ポイントガード。どれだけ活躍できるか未知数のローズとのトレードは割に合わないようにも思えるが、ティボドーはルビオの故障の多さを懸念しており、闘争心むき出しでプレーするクリス・ダンを将来的に先発ポイントガードに据えるプランを持っているようだ。

こうなれば『WIN×WIN』のトレードだが、ローズにはウルブズ以外にも数チームが関心を持っているとの情報もある。

トレード期限まではあと2日間。それぞれの思惑が複雑に絡み合う水面下でのバトルが繰り広げられている。

攻撃的なローズとアシスト量産型のルビオ。タイプの違うポイントガードのトレードが実現したら、チームの印象もガラッと変わるかもしれない。