チーム作りに確固たる自信「僕は自分が正しいことをしていると信じている」

今シーズンのNBAファイナルは、セルティックスとマーベリックスの組み合わせとなった。対戦相手のエースが相次いで負傷したこともあるが、プレーオフを危なげなく勝ち上がり、レギュラーシーズンをリーグ最高勝率で終えたセルティックスが有利との予想が多い。

こういった声に対し、マーベリックスのデリック・ジョーンズJrは、「僕たちは、どんな相手にも勝てると信じている。自分たちが(格下を意味する)アンダードッグと見られるのは好きじゃない」と不満を見せている。

「試合で自分たちのやるべきプレーをすることができれば、7試合シリーズで誰も僕たちを破ることはできないと思っている」

だが、指揮を執るジェイソン・キッドヘッドコーチは、「アンダードックの役割を演じることは好きだよ。ボストンは、2シーズン前にもファイナルに出ている」と、今のメンバーで大舞台への経験豊富なセルティックスの評価が高いのは当然の流れと考えている。

それでも、シーズン終盤からポストシーズンにかけての成長ぶりには確かな自信を見せている。「ある人は、我々はただ一緒になってプレーしている集団だったと言う。でも短い期間でチームが一体となり、若手が多い中で素晴らしい集団となったんだ。このような姿を見られたのは最高なことだよ」

そして自身の采配について、このプレーオフ期間中に契約延長で合意と、チーム首脳陣の自分における信頼が大きな助けになったと感謝する。「プレーオフのファーストラウンドを突破する前に契約延長を決めてくれた。彼らは、僕のできること、チームに与える影響を信じてくれた」「僕は自分が正しいことをしていると信じている。ロスターを見てもらえれば、僕たちはみんな良くなっている」

マーベリックスのファイナル出場は、キッドが現役としてプレーしていた2011年以来となる。当時のチームには、ダーク・ノビツキーという絶対的なエースは居たものの、キッドは37歳と体力的には下り坂で他にスーパースターはいなかった。一方、対戦相手のヒートは、レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュのスーパースター3人を擁し、ジェームズとボッシュは26歳、ウェイドは29歳と伸び盛りのチーム。下馬評ではヒートの圧倒的有利だったが、キッドは経験豊富なベテランガードとしてチームを牽引し4勝2敗でチーム初のNBA制覇を達成した。

当時のキッドは先発ポイントガードだったが、今度は指揮官として再びアップセットを果たし、マーベリックスを頂点に導けるのか。控えめな発言の裏には、確かな自信が垣間見えている。