文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

立ち上がりから攻守に積極プレーで主導権を握る

9勝27敗で東地区5位の秋田ノーザンハピネッツが14勝22敗で中地区5位の横浜ビー・コルセアーズと対戦した。

平均16.9得点で得点ランキング9位のジェイソン・ウォッシュバーンをケガで欠く横浜を相手に、秋田はディフェンスからペースを掴んで完勝を収めた。

立ち上がり、安藤誓哉がショットクロックギリギリから3ポイントシュートを沈め先制点を奪った秋田が波に乗る。白濱僚祐が川村卓也の一瞬の隙を突いてスティールし、ワンマン速攻を危惧した川村に止められるもアンスポーツマンライクファウルを獲得。開始4分で13-2とリードを奪った。

横浜はタイムアウトで一呼吸置き、ディフェンスをゾーンに変更して落ち着きを取り戻すと、細谷将司のドライブ、ファイ・パプ月瑠のインサイドで追いすがる。

それでも第1クォーター終了間際に白濱が3ポイントシュートを沈め、秋田が25-16とリードを保ち、試合を優位に進めていく。

41-31で第3クォーターに入ると、オン・ザ・コート数が「1」の時間帯で秋田がディフェンスからリズムを掴みリードを広げていく。ファウルトラブルに陥っている横浜のインサイド陣にペイントエリアで仕事をさせず、外のシュートを多投させる。川村がタフショットを連続で沈めるも、外一辺倒となったオフェンスはリズムに乗れず、このクォーターの横浜の得点はわずか11に留まった。

秋田は対照的にスコット・モリソンがインサイドで起点となり9得点の荒稼ぎ。谷口大智が2本の3ポイントシュートを沈めるなど、中と外のバランスが噛み合いリードを20点に広げた。

特別指定選手の中山がホームのブースターの前で初得点を記録

最終クォーターに突入しても秋田の勢いは止まらない。イバン・ラベネルが7得点、ディショーン・スティーブンスが6得点と、インサイドで主導権を握り続け試合をコントロールした。

残り6分を切ると、特別指定選手の中山拓哉をコートに送り出す。中山はすぐさまアグレッシブなディフェンスから速攻の先頭を走り、レイアップでホームでの初得点を記録した。

結局、すべてのクォーターで横浜を上回った秋田が84-60で2連勝を飾った。

長谷川誠ヘッドコーチは「第1クォーターのディフェンスが良かった。インサイドである程度主導権を握ったので、その分アウトサイドでノーマークができて中と外のバランスが良かった」と勝因を分析した。

秋田は3本の3ポイントシュートを含む14得点を挙げた田口成浩を筆頭に、5人が2桁得点とバランスの良いオフェンスを展開した。

敗れた横浜は湊谷安玲久司朱が13得点、竹田謙が10得点とベンチメンバーの活躍は収穫となった。しかし、ウォッシュバーン不在に加えて川村が序盤からファウルトラブルに陥ったのでは厳しい。

秋田は今日の勝利で勝ち星を10に乗せたが、依然降格圏内の15位と厳しい状況は続く。田口は「何が何でも勝つ、それだけです。調子もクソもないと思うので、とにかく目の前の試合に勝つ」と、これからの巻き返しを今シーズン最多の4457人のブースターの前で誓った。

明日の第2戦もCNAアリーナ★あきたで14時ティップオフ。