ジョシュ・ハート

来シーズンのさらなる躍進に自信「僕たちが築いているものには希望がある」

ニックスはカンファレンスセミファイナル第7戦でペイサーズに109-130で敗れた。連敗スタートから見事に巻き返したペイサーズの修正力は称賛されるべきものだが、ニックスにとっては故障者続出があまりに悔やまれるプレーオフとなった。

レギュラーシーズン途中から離脱し、プレーオフには間に合わなかったジュリアス・ランドル、マイケル・ロビンソンに加え、セミファイナルではOG・アヌノビーも第3戦から第6戦までハムストリングの故障で欠場。第7戦は強行出場したが、わずか5分の出場にとどまった。そして第7戦ではエースのジェイレン・ブランソンが第3クォーター途中に左手骨折で途中退場を余儀なくされた。

そんな満身創痍のチームにあって、文字通りのフル稼働でチームを支えたのがジョシュ・ハートだった。セブンティシクサーズとのファーストラウンドでは、オーバータイムまでもつれた第5戦で53分プレーするなど6試合で平均46.3分出場。腹部の肉離れで万全ではなかったペイサーズとのシリーズも、第4戦は24分出場だったにもかかわらず平均38.6分もコートに立っていた。

ハートは今シーズン平均8.3リバウンドを挙げるなど、ガードとしてはリーグ随一のリバウンド力を誇るハードワーカー、オールラウンダーと評されている。しかし、昨シーズン途中のニックス加入がキャリア3度目のトレードだったように、これまで中心選手として扱われることはなかった。しかし、ニックスでは必要不可欠なメンバーとなり、ファンから最も愛される1人として誰もが認める看板選手となった。

第7戦終了後、ハートは次のようにニックスへの感謝を語る。

「昨年このチームに加入した時、僕にとってはNBA4チーム目、6人目のヘッドコーチだった。僕は自分のホームと言える場所が欲しかった。そしてニックスの首脳陣は僕を信じて、契約を延長してくれた。コーチは僕をプレーさせてくれ、ニューヨークの街は僕を受け入れてくれた。僕にとってこれは大きな意味のあること。そして彼らに恩返しできる唯一の方法は、身体を張って自分のすべてを捧げ、コートで自分の気持ちを出すことなんだ」

カンファレンスセミファイナル敗退という結果だけ見ると、ニックスの成績は昨シーズンと一緒だ。しかし、その内容は確実に進歩している。ハートも「未来は明るいと思う」と、来シーズン以降のさらなる躍進に自信を見せる。

「僕たちが築いているものには希望がある。それが最も大きなことだ。もちろんオフシーズンはビジネスで、決断しないといけないモノがある。だけど僕たちは、チームが正しい方向へと進んでいくための基礎を作り上げたと思う」

ランドル、ロビンソンが復帰し、ブランソンやハート、アヌノビー、ドンテ・ディビンチェンゾとプレーする完全体のニックスが今から楽しみだ。