ケンバ・ウォーカー

写真=Getty Images

「リリースする腕を右にずらしたんだ」

シャーロットで開催された2019年のオールスターゲームに先発出場したケンバ・ウォーカーは、コートのどこからでも点が取れるスコアラーの一人として知られている。そんなウォーカーがシューターとしての能力を開花させた背景には、あるコーチの存在があった。

ウォーカーは、『Yahoo Sports』とのインタビューで、2015年の夏から指導を受けているシューティングコーチのアドバイスにより、シュートが安定するようになったと語った。

「少しだけ、ボールをリリースする腕を右にずらしたんだ」と、ウォーカーは語る。「それまでは、顔の正面でリリースしていたんだ。そのコーチはブルースという名前の人で、名字は発音が難しくてね。彼のアドバイスでリリースの位置を右にずらした。それに、フットワークの改善も指導してくれた。今も、そのやり方を続けているんだ」

彼のスタッツを見てみると、2014-15シーズンはフィールドゴール成功率38.5%、3ポイントシュート成功率30.4%だったのに対し、そのコーチの指導を受けた翌シーズンには、フィールドゴール成功率が42.7%、3ポイントシュート成功率も37.1%にまで上昇。特に3ポイントシュート成功数は、14-15シーズンが85本だったのに対し、15-16シーズンは182本、そしてキャリアハイの成功率39.9%を記録した2016-17シーズンには240本にまで増えた。そして今シーズンの3ポイント成功数もすでに199本に達しているため、3シーズン続けて年間成功数200本を超えるのは確実だ。

些細な変更だったとはいえ、ウォーカーは「それが難しかった」とも答えた。「当時24歳だったけれど、それまでのやり方でずっとやってきたから、かなり大変だった」

このコーチの指導を受けてから、彼のシュート成功率は安定している。昨シーズンには通算得点と3ポイントシュート成功数でデル・カリーを抜き、球団歴代1位に浮上した。

NBAでプレーするトップレベルの選手であっても、ちょっとした変化により能力がさらに開花することがある。ウォーカーのケースは、その一例と言えるだろう。