ブランドン・イングラム

今夏マックスでの契約延長が可能も、ペリカンズにオファーの意思なしか

今シーズン、ペリカンズはレギュラーシーズンを49勝33敗で終え、カンファレンスセミファイナルに進出した2017-18シーズン(48勝34敗)を超える勝ち星をマークした。プレーオフファーストラウンドでは、大黒柱のザイオン・ウイリアムソン不在が響いてサンダーにスウィープ負けを喫したが、確かな進歩を感じ取れたシーズンとなった。

そんなペリカンズだが、新シーズンに向けては現状維持ではなく大きな改革を行う可能性が出てきた。NBAインサイダーのマーク・ステイン氏は、ペリカンズがウイリアムソン、CJ・マッカラムと共に『ビッグ3』を形成している、ブランドン・イングラムのトレードへ積極的に動くと伝えている。

26歳のイングラムは、2019-20シーズンにペリカンズに加入し、在籍した5年間すべてで平均20得点以上を記録。今シーズンは64試合出場で平均20.8得点、5.7アシスト、5.1リバウンドを挙げた、リーグ屈指のウイングだ。しかし、プレーオフのサンダー戦では、平均14.3得点、フィールドゴール成功率34.5%と沈黙し、ウイリアムソン不在の穴を埋めることが全くできずに評価を下げた。

現在、イングラムの契約は新シーズンが最終年となるため、4年総額で最大2億ドル(約310億円)以上の延長を開幕前に結ぶことができる。しかし、プレーオフでの失速に加え、ここ5シーズンの出場試合数が62、61、55、45、64と欠場が多く、1年平均5,000万ドル(約78億円)以上を支払うにはリスクが大きいと感じさせる材料となっている。そのため、ペリカンズがイングラムとマックス契約を結ぶ可能性は低い。そして、新シーズン開幕前に延長で合意できない場合、フリーエージェントで去られる可能性も考慮すれば、トレードで何らかの見返りを得たいと思うのが自然だ。特に新戦力をチームにフィットさせることを考えると、シーズン途中ではなく今年の夏にトレードを成立させるのが理想だ。

ウイリアムソンはチームの絶対的な看板選手であり、マッカラムは残り2年間で6,000万ドル(約94億円)以上の契約が残っており、トレードには出しにくい。そして、イングラムと同じポジションには今シーズンで3年目を終え、ルーキー契約を引き継いでの契約延長が可能となる若手のトロイ・マーフィー三世がいる。イングラムよりも、マーフィーとの契約延長の方が優先度は高くなる。

以上のような背景を考えると、イングラムは今夏のトレード市場における目玉となっても驚きではない。ウイリアムソンを軸に、果たしてペリカンズはどんなロスターで新シーズンを迎えることになるのか。