小野寺祥太

桶谷HC「オフェンスでは、いかにシュートを打って終われるか」

琉球ゴールデンキングスは、アルバルク東京とのチャンピオンシップクォーターファイナルで初戦をダブルオーバータイムの末に81-80で勝利したが、第2戦に69-73で敗れ、本日の第3戦を迎えることになった。

2試合ともに琉球は前半に2桁のビハインドを背負って折り返した。初戦はそこから巻き返すことができたが、第2戦は第4クォーター序盤に2点差と肉薄したが、追い越すことができなかった。特に第2戦に関しては、大事な立ち上がりでトラベリングやパスミスなど、不用意なターンオーバーが多かったのが悔やまれる。桶谷大ヘッドコーチが第3戦に向けて「オフェンスでは、いかにシュートを打って終われるか」と語ったように、入る入らない以前にしっかりと自分たちのオフェンスをやり切ることができるかが問われる。

また、琉球が勝利するには堅守を継続することが大前提となる。この守備のトーンセットを行える、チーム屈指のディフェンダーである小野寺祥太は「出だしの部分が大きかったです。強いチームに最初にランをされたら勝てないと思うので、ゲーム3はその部分をしっかりやりたいと思います」と試合を振り返る。

前からの激しいプレッシャー、粘り強い密着マークが光った自身のプレーについて「パフォーマンス自体は悪くなかったです」と小野寺は語る。「ディフェンスでもアグレッシブにできましたし、オフェンスではしっかり得点に絡めました。そこはしっかりと継続してやっていきたいです。相手のリバウンドがすごく強いので、ビッグマン任せにならず、ルーズボールなど取るべきところをしっかり取っていきたいです」

また、A東京の攻撃の起点であるテーブス海へのマークについては、「ドライブでアタックして得点を狙えますし、アシストもうまい選手なのでそこを消していけたらと思います」と、何よりもインサイドへアタックを抑えたいと続けた。

小野寺祥太

「いろいろな選手が点数を取れればもっと良くなっていく」

レギュラーシーズン終盤の琉球は、名古屋ダイヤモンドドルフィンズへの連敗を含めて4連敗と、調子を大きく落としていた。その中で、この2試合は連敗中に欠けていた我慢強さを取り戻しつつある。4月末の琉球であれば、前半で2桁ビハインドを負った場面でズルズルと崩れてしまってもおかしくはなかったが、現在は反撃の流れが来るまで耐えることができているように、CSになってチームの状態は確実に上がっている。小野寺も次のように好感触を得ている。「CSに入ってからルーズボール、リバウンドの意識は変わってきています。ボールムーブもどんどん増えているので、そこでいろいろな選手が点数を取れればもっと良くなっていくと思います」

この『いろいろな選手が点数を取れるかどうか』は、第3戦における勝敗を分ける最大の鍵となってくる。この2試合における両チームの選手起用法は対照的で、A東京はレギュラーシーズンはタイムシェアを行っていたが、CSではプレータイムが大きく偏っている。帰化枠のライアン・ロシター、3番ポジションのレオナルド・メインデルはフル稼働で、レギュラーシーズンでは平均12分半とローテーションの一員だったザック・バランスキーはこの2試合でほとんど出番がない。また、日本代表の吉井裕鷹は2試合ともコートに立っていない。ただ、短期決戦で起用法に変化が出るのは良くあることで特段、驚くべきことではない。

一方の琉球は、レギュラーシーズンと同じタイムシェアを徹底し、2試合目もベンチ入り12名の内、11名が勝敗の決していない状況で出場している。ベンチメンバーを信頼しタイムシェアを行うことこそ、チームとしてベストのパフォーマンスを出せるというのが桶谷ヘッドコーチの信念であり、それを貫いたからこそ昨シーズンの琉球はファイナル第2戦でベンチメンバーが大暴れし頂点に立てた。今シーズンもそのスタイルが変わることはなく、だからこそ琉球が勝つには岸本隆一や今村佳太、ジャック・クーリーといった中心選手以外がインパクトを残す必要がある。

小野寺は、自身の代名詞である攻めのディフェンスで相手のターンオーバーを誘発していきたいと意気込む。「僕はそういうプレーができる選手を目指しています。そこは意識をしていますし、少しでもチームの雰囲気を変えられるようなプレー、ディフェンスを今度も見せたいです」

中心選手だけでなく、すべてのプレーヤーが自分の持ち味を発揮する。文字通りのチームバスケットを遂行することで、琉球の連覇への道は切り拓かれていく。