エバン・モーブリー

「自分のスポットに入り、得意なシュートを打つ」

セルティックスとのカンファレンスセミファイナル、第1戦でのキャバリアーズは25点差の完敗を喫したが、第2戦では見事なバウンスバックで118-94の勝利を収めた。キャブズの勝利とドノバン・ミッチェルの活躍はセットで、この試合でのミッチェルはフィールドゴール19本中10本成功の29得点、7リバウンド8アシストでターンオーバーわずか1と『エースの仕事』を果たした。

だが、ミッチェルの活躍だけでプレーオフの試合に勝つことはできない。この試合では21得点10リバウンド5アシストを記録したエバン・モーブリーの攻守に渡る素晴らしいプレーがキャブズに大きな勢いをもたらした。

本来は先発センターのジャレット・アレンがマジックとのファーストラウンドの途中で脇腹を打撲。骨折はしていないが、いまだ痛みが引かずに腕を上げることができない状態で欠場が続いている。こうしてモーブリーのインサイドを支える負担は一気に増したのだが、第1戦では期待に応えられなかった。

第2戦、試合開始からの4分で5-14と出遅れたキャブズだが、ここから奮起したモーブリーが第1クォーターだけで11得点を挙げ、ベンチから出たキャリス・ルバートの8得点もあり逆転まで持っていく。前半を同点で終えた後、後半に入ると一度もビハインドを背負うことなく、時間が経過するごとにリードを広げていった。

モーブリーはビッグマンだが俊敏な動きができ、技術もある選手。セルティックスは同じビッグマンのアル・ホーフォードではなくフォワードのジェイソン・テイタムにモーブリーを守らせ、スピードの優位性を消されたモーブリーは第1戦で大苦戦した。しかし今回はリムに向かう積極性を出し、高さでテイタムを押し込む。セルティックスはエースにその負担をかけるのを嫌い、今度はアル・ホーフォードを送り込むが、するとモーブリーは鋭い動きでベテランビッグマンを振り回した。

モーブリーのハイライトは第3クォーター序盤の守備から攻撃へ繋がる好プレーだった。ジェイレン・ブラウンのアタックに粘り強く足を動かして食らい付き、横からブロックショットに成功。すぐにミッチェルにボールを預けて縦へと疾走し、折り返しのロブパスをアリウープで叩き込んだ。

モーブリーは言う。「何があっても戦い続けることが大事で、厳しい状況でこそやり続けなければいけない。チームメートは僕を励まし、仲間意識を感じさせることで落ち着かせてくれる。それはすごく助けになっているよ。そのおかげで僕は前進し続けられる。自分のスポットに入り、得意なシュートを打つ。相手にとっては予想通りのプレーだろうけど、それをアグレッシブにやり続けることで倒すことができた」

そしてモーブリーは、ドノバン・ミッチェルが相手ディフェンスを引き寄せる『引力』を活用するんだと語った。「相手ディフェンスは彼から目を離せない。その『引力』のおかげで僕がペイントエリアでいきなりフリーになったり、僕らがピック&ロールをすることでシューターのマックス(ストゥルース)が空いたりする。プレーしやすい状況ができた時に、それを活用するのが大事なんだ」

モーブリーと一緒に会見に出たルバートは「ペイントでシュートを決めたと思えば、キックアウトで3ポイントシュートのチャンスを作る。自分で3ポイントシュートを決める場面もあった。すべてのプレーをちょっとずつ混ぜていく意味で、素晴らしい仕事をやってくれた」とモーブリーの働きを称え、こう続けた。「僕らはマジック相手にGAME7まで戦って、その48時間後にはこのシリーズが始まった。第1戦は準備不足だったけど、今回は戦えることを示せたと思う。クリーブランドに戻って戦えるのが楽しみだ。マジックとのシリーズでもホームゲームは素晴らしいものになった。このシリーズでもきっとそうなるよ」