ダグノートHC「全員による素晴らしいディフェンスのシリーズだった」
サンダーは、プレーオフファーストラウンドでペリカンズを4勝0敗のスイープで撃破。過去4回連続で敗れていたファーストラウンドの壁を乗り越え、カンファレンス決勝に進出した2016年以来となるセミファイナルへと駒を進めた。
このシリーズ、サンダーにとって最も大きかったのは4試合連続で集中力高く堅守をキープできたこと。ペリカンズの大黒柱であるザイオン・ウィリアムソンがプレーイン・トーナメントで負った故障でシリーズを欠場したことは大きかったが、それでも4試合すべて92失点以下に抑えたことは素晴らしかった。
サンダーのマーク・ダグノートヘッドコーチは、「コートに立った全員による素晴らしいディフェンスのシリーズだった。今回、どんな形のチームが見られるのか興味を持っていたが、持ち味をしっかりと出せていた。ディフェンスは常に試合を安定させてくれた。オフェンスで苦戦していても、試合の流れを失うことはなかった」と総括し、守備への大きな手応えを得ている。
今シーズンのサンダーを見ると、先発メンバーは25歳のシェイ・ギルジャス・アレクサンダー、24歳のルーゲンツ・ドート、22歳のジェイレン・ウィリアムズ、ともに21歳のジョシュ・ギディーとチェット・ホルムグレン。さらにシックスマンのケイソン・ウォレスも20歳と、若手揃いのラインナップ。それだけにレギュラーシーズンとは別モノとなるプレーオフでもいつも通りの力を発揮できるのか、不安視する見方もあった。しかし、それが無用の心配だったことはこの4試合を見れば明らか。プレーオフシリーズを最も若くして勝ち抜いたチームとなった。
ウィリアムズは、今回のシリーズ4試合で平均21.3得点、7.3リバウンド、5.0アシスト、1.8スティールを記録。年齢について強調されている現状に「これは、僕たちが気にしていないことの一つだ」と関心はない。
「年齢について、みんなにとって話題にする必要があっても、僕たちはその日の内に忘れてしまうことだ。これはバスケットボールで、僕たちの年齢は関係なく、試合でプレーしているだけだよ」
大舞台になればなるほど、試合に勝つにはディフェンスの重要性が増してくるのは過去の歴史が証明している。だからこそ、今回のサンダーは理想的な勝ち上がりだったと言えるだろう。
彼らはリーグ史上に残る若いチームであるが、ダグノートヘッドコーチが「私たちは成熟していて、献身的なチームだ」と語るように、若さゆえの粗さが目立つことはない。若さが生み出すエナジーと成熟したチームが揃える我慢強さを兼備したサンダーがどこまで勝ち進んでいき、NBAに新たな歴史を生み出すのか。今後の戦いがより楽しみだ。