ジェイレン・ブランソン

失意のエンビード「今日のような光景を見たのは初めて」

ニックスの2勝1敗で迎えたセブンティシクサーズとの東カンファレンスファーストラウンド第4戦は、ジェイレン・ブランソンがプレーオフのフランチャイズ記録を更新する47得点の大爆発を見せ、97-92で勝利しシリーズ突破に王手をかけた。

先手を取ったのはホームのシクサーズ。ともに3ポイントシュートのタッチが悪い中、ジョエル・エンビードが第1クォーターだけで10得点を挙げて27-17と先行する。しかし、絶好調のブランソンを止めることができず徐々に失速し、第3クォーターをブランソンの3点プレーで締められ、76-77と逆転されて最終クォーターを迎えた。

その後、一進一退の攻防が続いたが、シクサーズはケガを抱えるエンビードの動きが明らかに落ち、第4クォーターをフル出場するも5本すべてのフィールドゴールを外し、わずか1得点に留まった。一方のニックスもシュートタッチは決して良くなかったが、プレシャス・アチウワの3本を筆頭に7本のオフェンスリバウンドを奪ったように、ボールへの執着心で上回った。そして、4点リードで迎えた残り55秒、ブランソンが試合を決定付けるフローターを決めて逃げ切った。

ブランソンはフィールドゴール34本中18本を成功させ、プレーオフのフランチャイズ記録を更新する47得点を記録。さらに10アシストも挙げ、40得点10アシスト以上を記録したクラブ初の選手となった。終盤のフリースローの場面では、アウェーながら多くのニックスファンからMVPチャントを受け、以下のようにファンの後押しを喜んだ。

「前にも言ったけど、フィラデルフィアのファンベースはとても情熱的で容赦がない。ニックスのファンがここにいるのを見たり、彼らの声を聴くことができたのは、とてもクールだし、最高だよ」

一方、負傷を抱えながらも44分間プレーしたエンビードはチームハイの27得点に加え、10リバウンド6アシスト3スティール2ブロックと存在感を見せたが、チームを勝利に導くことはできなかった。そして、ホームにもかかわらず、ブランソンへ大きな歓声が上がったことについて失望した。

「ファンを愛しているが残念だった。ニックスファンがたくさんいるのは明らかで、今日のような光景を見たのは初めて。特にフィリーはスポーツの街だと思われているからね。彼らを非難しているわけではないが、残念だった」

これで1勝3敗と追い込まれたシクサーズ。第5戦はニックスのホームでの戦いとなるが、今回と逆のシチュエーションを生み出すことはできるか。