八村塁

ペリカンズの終盤の猛追はザイオンのケガで途切れる

現地4月16日、NBAではプレーイン・トーナメントが始まった。その最初の試合でレイカーズがペリカンズに110-106と競り勝った。

立ち上がりはペリカンズのペース。ブランドン・イングラムのプレーメークが効いたことに加え、立ち上がりから多少無理なシュートも強引にねじ込むタッチの良さで先行する。レイカーズではディアンジェロ・ラッセルがシュート好調だったが、ここに曲者ホセ・アルバラードがしつこくチェックに行って両者テクニカルファウルを引き出し、ディアンジェロの勢いを止めてみせた。ペリカンズは第1クォーターを34-26とし、第2クォーター最初のプレーでリードを10点へと広げた。

だが、ここからレイカーズのエース、レブロン・ジェームズがエンジン全開のパフォーマンスを見せる。強引なドライブを仕掛けたかに見えても、相手がダブルチームを送り込めば空いた味方にパスを送り、得点だけでなくアシストでもオフェンスを勢い付ける。ここでペリカンズは落ち着いて構えるべきだったが、イングラムは焦ってしまい、強引に仕掛けて自らタフショットを放つようなプレーが目立ち始め、ザイオン・ウイリアムソンも波に乗れず。立ち上がりにシュートタッチが良かったことが、逆に彼らの意識を悪い方向に引っ張ってしまった。

第2クォーターを34-16のビッグクォーターとして逆転したレイカーズは、後半も主導権を握り続ける。腰の痛みを抱えているはずのアンソニー・デイビスはフィールドゴール16本中6本成功とシュートに苦しみながらディフェンスとリバウンドで奮闘。レブロンは相手ディフェンスの動きを読みながら味方のイージーシュートを作り出すアシストで良いリズムを生み出した。

そして八村塁はディフェンスとリバウンドで相手のキーマンを抑えながら、オフェンスではフロアを広げつつ相手ディフェンスのギャップを突く。その回数は多くないが、タイミングの良いカットでパスを引き出すことで確率良く得点を重ねていった。

ペリカンズもこのままでは終わらなかった。レイカーズの時間帯にはザイオンの得点で食らい付き、第4クォーター残り7分半にイングラムとCJ・マッカラムを下げ、ザイオンとシューターのラインナップを敷くと、トレイ・マーフィー三世とアルバラードの3ポイントシュート、そしてザイオンのダンク連発で11点のビハインドを一気に帳消しに。急にペースが上がったことにレイカーズは戸惑ってディフェンスが対応できず。さらに第2クォーターからエンジン全開を続けてきたレブロンがガス欠となり、ペリカンズの猛追を許した。

残り3分19秒、ザイオンはデイビスをかわしてこの日40得点目となるフローターを決めて95-95の同点とするが、この際の着地で足を痛めてしまう。ベンチに戻った彼はそのままロッカールームに戻ることに。絶好調の瞬間にケガをしたフラストレーションで、彼はタオルを投げ捨ててコートを後にした。

なおもペリカンズはCJ・マッカラムを中心に粘ろうとするが、ザイオン抜きでオフェンスの失速は避けられなかった。レイカーズではディアンジェロが3ポイントシュート決めてリードを奪い、レブロンのシュートがリムに嫌われたところでデイビスがオフェンスリバウンドを確保し、フリースローで安全圏へと抜け出した。

レブロンは23得点9リバウンド9アシストと『ほぼトリプル・ダブル』、デイビスは20得点15リバウンド3ブロック、八村は13得点を記録した。これでレイカーズは西カンファレンスの第7シードとなり、プレーオフのファーストラウンドではナゲッツと対戦する。