ジュリアス・ランドル

OG・アヌノビーは肘の痛みが引かず、ロビンソンは復帰

ジュリアス・ランドルが肩の手術でシーズン終了となり、ニックスファンの夢は潰えてしまった。44勝31敗で東カンファレンス5位につけているニックスは、プレーオフには進出できるだろう。しかし、1月にOG・アヌノビーをトレードで獲得し、ランドルと組んでプレーしていた時期のニックスは12勝2敗と絶好調で、ジョエル・エンビードもいるセブンティシクサーズも、ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーのいるナゲッツもなぎ倒す力強さがあった。チームがプレーオフに進んでも、その強さはもう戻らない。

現地1月27日のヒート戦でランドルは相手選手と衝突して右肩を脱臼した。当初から手術の可能性はあったが、彼はプレーオフに間に合わせるために手術を回避しての復帰を模索してきた。アヌノビーは今シーズン終了後にニックスと新契約を結ぶ見込みで、現在の1860万ドル(約28億円)から年俸は約2倍に上がると見られている。そうなるとサラリーキャップの関係で、ローテーションプレーヤーの誰かは失うことになる。このメンバーが揃った今シーズンが大きなチャンスだと感じていたからこそ、ランドルは早期復帰にこだわった。

ケガから1カ月後の2月下旬に、ランドルは「状態は日々良くなっている」としながらも「最終的には長いキャリアを送るため、自分にとってベストなことをしないといけない」と語っている。そして実際に、彼は手術が『自分にとってベスト』であることを受け入れることになった。ワークアウトはずっと行っていたが、コンタクトありの練習には進めなかった。複数の医師から、手術なしでは右肩は完治せず、より重度のケガを負うリスクが高いと診断された。このタイミングで手術をすることで、ランドルは9月に練習を再開して来シーズンの開幕には間に合う見込みだ。

こうしてニックスはオールスター3回選出のランドル抜きで今シーズンを戦うことになった。次の問題はOG・アヌノビーだ。1月下旬に肘の手術を受け、1カ月半後に復帰してチームを3連勝に導いたものの、そこから再び戦線離脱して今は8試合連続で欠場が続いている。肘のクリーンアップ手術は成功したが、その影響で肘の腱が炎症を起こして様子見が続いているが、痛みはなかなか引かないようだ。

ミッチェル・ロビンソンは12月に足首を手術し、3月末にようやく復帰。プレーオフには試合勘も取り戻すことができそうだ。彼が不在の間にアイザイア・ハーテンシュタインが大きく成長し、センターが盤石となったことはニックスにとって数少ない朗報となっている。

ここまで欠場1試合のみとフル回転しているジョシュ・ハートは、「今いる選手たちでのチームだと考えている。ケガ人は戻って来ない、復帰できたらツイていたと思いたい。そういう考え方でやっていく」と、ケガ人続出の状況に強い意志で向き合っている。ジェイレン・ブランソンは直近でのチームの失速に対してケガ人を言い訳にするのではなく、「原因は出だしの悪さだよ。僕らは強いチームだけど、試合の最初から戦う気持ちを出していかなければならない」と語る。

ランドル不在で苦しいのは間違いないが、ニックスにとっては東カンファレンスの強豪としての地位を取り戻せるかどうかのシーズンが山場を迎えようとしている。