RJ・バレット

「受け入れられるよう努力しなきゃならない」

すでに今シーズンの目標を失ったラプターズは、現地3月31日のセブンティシクサーズ戦に敗れて13連敗となった。今シーズンはとにかくケガ人続出が止まらず、74試合を戦って25通りもの先発ラインナップを試さざるを得ない状況にある。今はこれまでほとんど出番のなかったドラフト外ルーキーのジャボン・フリーマン・リバティーに先発ポイントガードを任せている。

ケガ人だけでなく不幸も重なった。RJ・バレットは3月14日に弟のネイサンを病気で亡くした。この日の試合から今までバレットは欠場しているが、先週からチームには復帰して、先のニックス戦とセブンティシクサーズ戦は会場で試合を観戦している。

先週、バレットは現地メディアの取材に応じ、「バスケが僕にとって安全な場所になっている。毎日ここに来て仲間と一緒に過ごせることで救われる気がする」と語った。「チームメートと一緒にいると楽しい。練習をして食事をして、プレーはできなくても仲間のサポートをする。そういったことが僕の助けになっている」

弟のネイサンは19歳だった。「最高の弟だったよ。僕はバスケなら得意だけど、他には何もできない。バスケ以外だとトランプぐらいでしか僕は弟に勝てなかった。全部ネイサンの方が上手だった。これまでの人生で親しい人を何人か亡くしているけど、今回のことは全くの別物で、ショックが大きい。だけど、毎日少しずつこの状況を受け入れられるよう努力しなきゃならない」

3月11日のナゲッツ戦を終えた翌朝に悪い知らせが届き、彼はチームより先にデンバーからトロントへ戻ったという。「なんとなく分かってはいた。亡くなる直前に会えたのは幸いだった」とバレットは言う。ネイサンの葬儀にはヘッドコーチのダーコ・ラジャコビッチを始め、多くのチームメートと関係者が訪れた。また彼が亡くなった直後のマジック戦では、ネイサンのために会場で黙祷が捧げられている。

バレットはすべての練習をこなしており、現地4月2日のレイカーズ戦から復帰する。バレットと同じくニックスからシーズン途中にトレードで加入したイマニュエル・クイックリーも、3月20日に叔父を亡くして欠場が続いていたが、彼もまたレイカーズ戦からプレーを再開させる。

すでにプレーオフ進出の望みは絶たれているが、彼らがプレーする目的はそれだけではない。バレットはこう語った。「ネイサンは僕がここでプレーすることを願うだろう。そしてバレットのレガシーをより充実させることを望んでいるはずだ」