アルバルク東京

河村&ソットのコンビに苦戦も、ポゼッション数で押し切る

横浜ビー・コルセアーズがホームにアルバルク東京を迎えた一戦は終盤までもつれたものの、制空権を支配しセカンドチャンスポイントで18-5と大きく上回ったA東京が81-75で勝利した。

A東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチが「特に第1クォーターと3クォーターの出だしの重要性が見れず、すべてに関して後手を踏み、特にディフェンス面でかなり点数を取られたイメージがありました」と振り返ったように、先手を取ったのは横浜BCだった。セットプレーの質が高く、オフェンス優位な状況を作っては河村勇輝がアシストパスを連発し、河村自らも得点を挙げて、開始3分半で13-4と走った。

だが、動じないA東京はタイムアウトを取ってディフェンスを立て直すと、良いオフェンスに繋げ連続でバスケット・カウントを獲得。さらにミスマッチを突いて次々と加点し、残り約4分にはレオナルド・メインデルの速攻で16-15と逆転した。その後も、ツーメンゲームからイージーシュートを連発したA東京が23-17とリードして第1クォーターを終えた。第2クォーターは互いに3ポイントシュートに当たりが来ず我慢の展開が続き、16-16とまったくの互角で前半を終えた。

前述の通り、第3クォーターは再び横浜BCの時間に。オフェンス優位な状況を作られても、パスの最終的な出しどころを読み、連続スティールからデビン・オリバーがワンマン速攻に繋げて同点に追いつく。A東京の軽率なミスも多かったが結果的に約4分半無失点に抑えると、河村とカイ・ソットのコンビプレーが冴えわたり、ついに逆転に成功した。それでも、ソットがベンチに下がっている間にインサイドを攻め込まれ、セカンドチャンスポイントやフリースローを連続で与え、再び逆転された。

最終クォーターに入ってもセバスチャン・サイズやアルトゥーラス・グダイティスのセカンドチャンスポイントによってA東京が主導権を握る。それでも、ステップバックスリーに高速ドライブからの連続得点と、スコアラーモードに入った河村の活躍で残り約4分に横浜BCが逆転に成功。しかし、河村への警戒を強めたA東京の守備をその後は切り崩せず、トランジションからメインデルに3点プレーとなるバスケット・カウントを決められて再度逆転を許した。残り1分半、3ポゼッション差にビハインドを広げられる3ポイントシュートを小酒部泰暉に射抜かれて万事休す。ファウルゲームに持ち込んだが、点差を縮めるだけで精いっぱいとなった。

ザック・バランスキー

青木HC「1つのオプションか確立できてきている」

A東京はターンオーバーが15-10、フィールドゴール成功率も44.8%ー50.8%とオフェンス面での安定感に欠けた。それでも、オフェンスリバウンドで19-4と圧倒したようにポゼッション数で押し切り、強固なディフェンスで逃げ切った。キャプテンのザック・バランスキーはチームハイの18得点を挙げたメインデルに代わり、クロージングラインナップを任された。「レオはウチで1番得点力のある選手ですが、珍しくイージーミスが多かったです。言い方がおかしいかもしれないですが、僕は変なミスをしないというか大事な場面でもいつも通りのプレーができる。ディフェンスの信頼感や落ち着いたゲーム運びを期待されて託されたと思います」と、最後にコートに立ち続けた理由を分析した。

また「内容としてめちゃくちゃ良かったわけではない」としながらも、何よりも結果が求められる状況で勝ち切ったことを強調した。「昔から僕は勝って学べる方が良いと思っています。内容が悪くても勝ち切ること、かっこ悪くても泥臭くてもいいから、今は勝つことが大事だと思っているので、勝って反省できたのは良かったです」

一方、敗れた横浜BCだが、河村との阿吽の呼吸から何度も豪快なアリウープを決めるなど、ソットがキャリアハイを更新する28得点を挙げた。ソットは「勇輝は非常にスマートなプレーヤーで、自分もビッグマンとしてはスマートだと思っています。やりやすさは感じていて、特に話しをしなくても、彼の視線を見ながら、タイミングの合った連携が取れているんじゃないかと思います」と河村とのコンビの手応えについて語った。

そして、青木勇人ヘッドコーチも「ピック&ロールのターゲットがいないところで、今シーズンは苦労してきましたが、その中で1つのオプションか確立できてきました。そこは1つの生命線だと考えています。あとは相手がアジャストしてくる中で、周りの選手がステップアップするチャンスが生まれてくると思います」と言い、A東京を相手にしてもツーメンゲームが通用することを収穫に挙げた。