EASL(東アジアスーパーリーグ)は千葉ジェッツの優勝で終わった。ファイナル4の舞台、フィリピン・セブ島で現地取材を行った日本メディア4名で、ファイナル4の1stチームをそれぞれ選出した!
※選出対象はファイナル4進出の4クラブ。1クラブあたりの選出人数の上限は設けず、オン・ザ・コートルールとポジションはフリーとしています。
選出者
フリーランスライター永塚和志
富樫 勇樹 Yuki Togashi
日本・千葉ジェッツ#2/167cm/PG
右手親指を負傷していながらファイナルフォーでの2試合とも、脱帽の勝負強さで勝利を引き寄せるシュートを決めた。クロスオーバー等で眼の前から消え去るのは相手ディフェンダーからすれば魔法にかけられる感覚だったか。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ニュータイペイ
28得点、5アシスト、3P6本成功
決勝vs.ソウルSK
24得点、7アシスト、3P4本成功
ジョセフ・リン Joseph Lin
台湾・ニュータイペイキングス#1/182/G
3位決定戦ではわずか6得点も、準決勝の千葉J戦における鮮烈さで観客の脳裏に「ジェレミー・リンの弟」ではなく自身の名前を刻んだ。この試合、第4Qに2本の3Pとレイアップの3連続得点をした時に響いた会場の歓声はファイナル4のハイライトの1つだった。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.千葉J
21得点、4リバウンド、5アシスト、3P5本成功
3位決定戦vs.安養
6得点、2リバウンド、7アシスト
オ・ジェヒョン Jaehyun Oh
韓国・ソウルSKナイツ#22/184cm/G
千葉Jとの決勝戦では5スティールを記録。SKのファストブレークやセカンドチャンスからの得点を演出し、この試合を接戦にした。かたや準決勝では20得点。今季は国内リーグ見せた著しい成長が本物だとこの国際舞台でも証明した。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.安養
20得点、4リバウンド、4アシスト
決勝vs.千葉J
9得点、2リバウンド、5アシスト、5スティール
ゼイビア・クックス Xavier Cooks
日本・千葉ジェッツ#10/203cm/SF・PF
準決勝では得点とリバウンドで20以上を記録(24得点、23リバウンド)した一方で、8ブロック。決勝も終盤のハエたたきが効いた。スモールフォワード的な役割も担いボール運びなどでマークの厳しい富樫の負担を軽減した。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ニュータイぺイ
24得点、23リバウンド、8ブロック
決勝vs.ソウルSK
6得点、7リバウンド、2アシスト
ジャミール・ウォーニー Jameel Warney
韓国・ソウルSKナイツ#34/199cm/C
いかつい体躯は燃費が悪そうに見えたが、決勝では40分のフル出場で準決勝もほぼ休みなくコートに立ち続けた。ファイナル4の2試合では平均30点、16.5リバウンド、5.5アシスト。相手にとって悪魔のように厄介だった。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.安養
38得点、16リバウンド、6アシスト、3P3本成功
決勝vs.千葉J
22得点、17リバウンド、5アシスト
選出者
バスケットボールコメンテーター 井口基史
富樫 勇樹 Yuki Togashi
日本・千葉ジェッツ#2/167cm/PG
忘れられないバスケ大国フィリピンでのMVPチャント。今大会で「日本の富樫からアジアのTOGASHIへ」登り詰めた。今すぐTOGASHI・Tシャツをアジアで売ろう!TOGASHI ・Tシャツを着た外国の方を見かけるのはもうすぐだ!
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ニュータイペイ
28得点、5アシスト、3P6本成功
決勝vs.ソウルSK
24得点、7アシスト、3P4本成功
オ・ジェヒョン Jaehyun Oh
韓国・ソウルSKナイツ#22/184cm/G
決勝でのTOGASHIとのマッチアップは胸アツ。まだ24才と若くこれからのEASLや日本代表戦でも警戒すべき危険な選手。「琉球が入ってないやないかい!」という皆さんごめんなさい…琉球選手のピックはまだ未来にとっておきます!
【大会キースタッツ】
準決勝vs.安養
20得点、4リバウンド、4アシスト
決勝vs.千葉J
9得点、2リバウンド、5アシスト、5スティール
ジェレミー・リン Jeremy Lin
台湾・ニュータイペイキングス#7/192cm/G
「Final4出てないやないかい!」という皆さんごめんなさい…アジア籍NBAプレーヤーのパイオニアとして選出。各地でリンサニティー(熱狂のリン現象)を彷彿させ、大会の盛り上げに貢献した立て役者。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.千葉J
出場なし
3位決定戦vs.安養
出場なし
ゼイビア・クックス Xavier Cooks
日本・千葉ジェッツ#10/203cm/SF・PF
「ムーンを選ばんのかい!」という皆さんごめんなさい…チェイスダウンブロックで何度も窮地を救い、スカウティングしにくい国際試合ではシンプルな身体能力がモノをいうことを証明。これぞNBAアビリティー。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ニュータイぺイ
24得点、23リバウンド、8ブロック
決勝vs.ソウルSK
6得点、7リバウンド、2アシスト
ジャミール・ウォーニー Jameel Warney
韓国・ソウルSKナイツ#34/199cm/C
「荒尾岳を選ばんのかい!」という皆さんごめんなさい…KBL3度の外国籍MVPは伊達じゃない。近い将来Bリーグでプレーする姿が見られても驚かない。現在分かっている対策は「ウォーニーを止めたければ荒尾岳を呼べ。」それだけだ。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.安養
38得点、16リバウンド、6アシスト、3P3本成功
決勝vs.千葉J
22得点、17リバウンド、5アシスト
選出者
バスケット・カウント 丸山素行
富樫 勇樹 Yuki Togashi
日本・千葉ジェッツ#2/167cm/PG
徹底マークを受けながらも個の力で打開し、2試合平均で26.0得点、6.0アシストを記録。千葉Jを「EASL Final Four 2024」初代王者に導くとともに、MVPも受賞。決勝戦の終盤、フリースローを打つ場面で巻き起こった『MVPチャント』が、彼のパフォーマンスが異次元だったことを証明している。アジアの希望に。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ニュータイペイ
28得点、5アシスト、3P6本成功
決勝vs.ソウルSK
24得点、7アシスト、3P4本成功
ジョセフ・リン Joseph Lin
台湾・ニュータイペイキングス#1/182/G
3位決定戦では不本意なパフォーマンスに終わったが、準決勝では5本の3ポイントシュートを含むチームハイの21得点に加え、5アシストを記録し、千葉Jを最後まで追い詰めた。大会の主役を演じた富樫との『小兵ガード対決』は会場を熱狂させ、ジェレミー・リンの弟という見られ方から脱却したと言える。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.千葉J
21得点、4リバウンド、5アシスト、3P5本成功
3位決定戦vs.安養
6得点、2リバウンド、7アシスト
アイラ・ブラウン Ira Brown
日本・千葉ジェッツ#50/193cm/SF・PF
突出したスタッツを残したわけではないが、帰化枠のアドバンテージを最大限に生かしたことを評価。特に決勝戦では連動したチームバスケットの中で楔となり、フィニッシャーにもなって12得点(5リバウンド)を記録。レギュラーシーズンよりもパフォーマンスを落とす選手が多い中、この大舞台で攻守に存在感を示した。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ニュータイぺイ
3得点、4リバウンド、2アシスト
決勝vs.ソウルSK
12得点、5リバウンド、3P2本成功
ジョン・ムーニー John Mooney
日本・千葉ジェッツ#33/206cm/C・PF
2試合平均で19.0得点、13.5リバウンド、1.0ブロックを記録。準決勝で獅子奮迅の活躍を見せたゼイビア・クックスと迷ったが、抜群の安定性を評価。ファウルコールにフラストレーションを溜めながらも集中力を切らさず、他チームの屈強な外国籍選手にアドバンテージを与えずに、攻守で大黒柱としての役目を全うした。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ニュータイぺイ
22得点、11リバウンド、3アシスト
決勝vs.ソウルSK
16得点、16リバウンド、6アシスト
ジャミール・ウォーニー Jameel Warney
韓国・ソウルSKナイツ#34/199cm/C
2試合平均で30.0得点、16.5リバウンド、5.5アシストを記録し、ソウルSKの大黒柱としての役目を存分に果たした。特に安養戦は38得点を挙げてインサイドを制圧。千葉J戦はフル出場ながらも、ムーニーやクックス、アイラ・ブラウンといったBリーグ屈指のビッグマンとのマッチアップで全く引けを取らなかった。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.安養
38得点、16リバウンド、6アシスト、3P3本成功
決勝vs.千葉J
22得点、17リバウンド、5アシスト
選出者
月刊バスケットボール 堀内涼
富樫 勇樹 Yuki Togashi
日本・千葉ジェッツ#2/167cm/PG
誰が見ても、今大会の主役だった。抜群のテクニックと167cmの小柄なサイズが相まって、海外のファンからも熱視線を送られた。徹底マークに遭う中で2戦ともにゲームハイの得点。決勝終盤の“MVPコール”がその証しだった。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ニュータイペイ
28得点、5アシスト、3P6本成功
決勝vs.ソウルSK
24得点、7アシスト、3P4本成功
オ・ジェヒョン Jaehyun Oh
韓国・ソウルSKナイツ#22/184cm/G
フィジカルの強さを攻防両面で見せてくれた。準決勝ではウォーニーに次ぐ20得点、決勝では千葉Jを相手に5スティール。攻防にわたる球際の強さと勝利への執念を感じるプレーを見せた。決勝で敗れたあと、立ち上がれないほど悔しがっていた姿も印象的だった。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.安養
20得点、4リバウンド、4アシスト
決勝vs.千葉J
9得点、2リバウンド、5アシスト、5スティール
パク・ジフン Jihoon Park
韓国・安養正官庄レッドブースターズ#6/185cm/G
個人的には千葉J相手に大活躍を見せたジョセフ・リン以上の存在感を感じた。特に3位決定戦では鋭いドライブとジャンパーが止まらず、まるでゾーンに入っているかのような大活躍。身体能力とディフェンスの嗅覚も鋭く、同試合でリンを圧倒していた。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ソウルSK
8得点、3リバウンド、9アシスト
3位決定戦vs.ニュータイペイ
29得点、8リバウンド、3スティール、3P3本成功
ジョン・ムーニー John Mooney
日本・千葉ジェッツ#33/206cm/C・PF
ゼイビア・クックスとどちらを選出するか迷ったが、2試合の安定感という面でムーニーを選出したい。2試合ともにダブルダブルを記録し、ニュータイペイ、ソウルSKの屈強なビッグマン相手にペイントを守り抜いた。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.ニュータイぺイ
22得点、11リバウンド、3アシスト
決勝vs.ソウルSK
16得点、16リバウンド、6アシスト
ジャミール・ウォーニー Jameel Warney
韓国・ソウルSKナイツ#34/199cm/C
分厚い体でポストアップを仕掛けたかと思えば、3Pラインの外側から1対1も仕掛け、オフェンスが非常に多彩。ファウルを受けてもねじ込んでくるドライブは、止めようがないレベルで、特に準決勝では安養の選手たちもなす術がない状態だった。
【大会キースタッツ】
準決勝vs.安養
38得点、16リバウンド、6アシスト、3P3本成功
決勝vs.千葉J
22得点、17リバウンド、5アシスト