ジェレミー・リン

写真=Getty Images

『Linsaniity』がトロントに、本人がSNSで発表

ホークスから解雇されたジェレミー・リンは、ウェーバー期間を経てフリーエージェントになった後、ラプターズと契約することが内定している。正式発表を前に本人がInstagramの投稿で、フライング気味に移籍を発表した。

ラプターズは、控えガードのフレッド・ヴァンブリートが親指の負傷により今後3週間は戦列を離れるため、ベテランのリンを代役に選んだ。リンにとっても、東カンファレンス2位のラプターズ加入は渡りに船。ここ5シーズンはレイカーズ、ホーネッツ、ネッツ、ホークスでプレーオフ進出を逃していただけに、本人もこの機会を生かしたいに違いない。

そのリンが、ラプターズとの契約発表前に取った行動が話題になっている。Instagramの合成画像を見ても分かる通り、17番のジャージーを着用する予定のリンは、NBAでこれまでに所属したチームでも、7番か17番のジャージーを着用している。ラプターズの7番はカイル・ラウリーであるため、17番を選択。この番号は、先週グリズリーズにトレードされたヨナス・ヴァランチュナスが2012-13シーズンから使っていた愛着のある番号。彼が退団したことで空いてはいたが、リンはヴァランチュナスに使う許可を取ったことを、投稿のコメント欄で明らかにした。

ラプターズファンから愛されたヴァランチュナスの番号を受け継ぐにあたって『筋を通す』あたりは流石の一言。許可を取らなくても問題はなかっただろうが、ヴァランチュナスへのリスペクトを示したことで、球団にもファンにも受け入れられやすくなったに違いない。

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もっとも、チームのスタイルにフィットするかどうかも大事。それもネッツ時代とニックス時代の恩師であるケニー・アトキンソンが太鼓判を押している。2月11日に敵地で行われたラプターズ戦の前、アトキンソンはリンの移籍について「彼は素晴らしい選手なので、ラプターズにとって良い補強になる」とコメント。「競争心も強く、周りが思っている以上に守備に優れている。きっとラプターズのスタイルにもフィットする。周到に準備をする選手で、頭も良いからね」

かつてはニックスのアシスタントコーチを務めたアトキンソンは、リンが全米に巻き起こした『Linsanity』旋風の目撃者でもある。中でも、リンが決勝3ポイントシュートを決めた2012年2月14日のラプターズ戦が印象に残っていると話す。

「彼がブザービーターを決めた試合のことは絶対に忘れない。NBAのアリーナが、あそこまでクレージーな盛り上がりを見せたのは稀だ。素晴らしい試合だった。ここで歴史を残した彼のプレーを、ラプターズのファンも楽しめると思う」