山本麻衣

長距離砲と共に光ったドライブ「ペイントアタックすることは常に考えています」

本日深夜、女子日本代表は勝てばパリ五輪出場が決まる世界最終予選(OQT)のハンガリー戦を迎える。昨日のスペイン戦、日本代表は40分間を通して前から激しくプレッシャーをかけるディフェンスで流れをつかみ、3ポイントシュートを効果的に決めて86-75で勝利した。

山本麻衣はスペイン戦で、チームトップの31分59秒出場、3ポイントシュート5本中3本成功を含む15得点4アシスト3リバウンドと攻守に渡って活躍。出場時間の得失点差を現すプラスマイナスで、チームトップのプラス23だったことは山本がいかに質の高いプレーで日本を牽引したかを物語っている。

スペイン戦の山本は得意の長距離砲に加え、ゴール下への鋭いドライブでもディフェンスを苦しめた。この仕掛けは、かなり意識していたと明かす。「ペイントアタックすることは常に考えていて、どんどんアタックして簡単な2点も取っていきたいと思っていました。3ポイントシュートが決まっていたことで、相手のディフェンスが外に出てきてくれました。それでカウンターから、ゴール下に行きやすくなったところはあると思います」

また、恩塚亨ヘッドコーチ体制ではずっとポイントガードで起用されていたのが、このOQTから2番へと変わった。しかし、「そんなに違和感はなく、トヨタとほぼ同じ感じでできていると思います」と、所属するトヨタ自動車アンテロープスでは1番と2番を兼ねるコンボカードの役割を担っていることでスムーズに移行できたと語る。

163cmの山本にとって2番でプレーすることは、今まで以上にマッチアップする相手とサイズのミスマッチが生じるが、そのマイナス面を感じさせない見事なディフェンスを披露した。「ハーフコートに持ち込まれるとキツイ部分があります。そうならないようにオールコートでプレッシャーをかけて、相手のドライブに対してもゴール下まで差し込まれる前に止めることができたと思います」

このように振り返ると、「フィジカルの部分では良かったと思います」と当たり負けしなかったことに手応えを得ている。自分よりかなり大きい相手とのコンタクトを続けた中、30分以上のプレータイムを経ての連戦は体力的にキツイはず。それでも山本は「今、すごくコンディションが良いです。練習や練習試合でもめちゃくちゃ疲れることはあまりなくて、昨日のゲームでもそんな感じはなかったです。コンディションが良いことに自信を持ってプレーできています」と笑顔を見せる。

2番ポジションの山本が持ち味全開のプレーができれば、それは日本がスピードと運動量でアドバンテージを取れていることの証明となる。山本がコート上を縦横無尽に駆け回ることで、日本はスペイン戦の再来となる戦いを実現できるはずだ。