「みんなが動いてくれるおかげで、自分は楽をさせてもらいました」
バスケットボール女子日本代表はパリ五輪世界最終予選の初戦でスペインと対戦。試合の大半で主導権を握り86-75と快勝したが、序盤から日本の生命線である3ポイントシュートを効果的に決めることで波に乗れたことが何よりも大きかった。そしてこの先制パンチをもたらしたのは、前半だけで7本中5本の3ポイントシュートを成功させたシューター、林咲希の爆発だった。
林の長距離砲がどれだけ試合の流れに大きな影響を与えたかは、吉田亜沙美の「キャプテン(林)が『大丈夫だよ』というメッセージを込めながら3ポイントシュートを決めたプレーがチームを落ち着かせたと思います」という言葉が物語っている。
林は自身のパフォーマンスについてこう振り返る。「個人的には、出だしに(3ポイントシュートを)2本決め切れたことでチームに良い流れを持ってこられました。みんなにしっかり良いエネルギーが伝わり、40分間走り切れたのかなと思います」
また、「(ウォーミングアップでのシュートタッチは)良くなくて、とりあえず打たなければと考えていました。試合では集中できていたので、良い緊張感があったかなと思います。試合を通してほぼ良い感覚で打てていました」と明かし、国際舞台で結果を残し続けていたメンタルの強さを今回の大一番でも発揮した。
林といえば、東京五輪での活躍など日本代表のエースシューターとして海外でも存在を知られており、当然のように相手も要注意選手としてマークしてくる。それでも、この試合では何度もノーマークの状況を作り出せたが、その理由について林はチームメートの献身があってこそと感謝を強調する。
「みんなが自分を空けるためにカットしてくれたり、ガードが相手の守備を引きつけてくれたりしたので迷いなく打てました。みんなが動いてくれるおかげで、スペースは広いですし、自分は楽をさせてもらいました」
そして、これまでの研鑽によって自分は必ずフリーになるという確信があったと続ける。「3ポイントを打つための動きを結構やってきました。それで空くという自信が自分の中にありました。ディフェンスの状況を見て、『今、これをやろう』という動きが4つ、5つあります。それをどう使うのか、今まで訓練してきたことが今日は出せたと思います」
この勝利で日本は本日の第2戦でハンガリーに勝利すれば、パリ五輪への出場が決まる。サイズでは圧倒的に不利な日本が勝つには、スペイン戦と同じく速い展開から効果的に3ポイントシュートを決めることが欠かせない。今回も、林の長距離砲は日本が序盤からリズムに乗るための大きな鍵となる。
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🇯🇵 Japan's Saki Hayashi makes it rain against Spain to earn TCL Player of the Game award!#FIBAOQT pic.twitter.com/uDI650PKGe
— FIBA (@FIBA) February 8, 2024