レオナルド・メインデル

琉球との激闘に勝利。アドマイティスHC「恐らく、遂行力では今シーズンベストのゲーム」

2月3日、アルバルク東京はホームで琉球ゴールデンキングスと対戦。最後まで集中力を切らさずに戦い抜き、オーバータイムまでもつれる激闘を91-80で制した。

A東京は試合の立ち上がりから、本日31得点と大暴れのセバスチャン・サイズを軸とした力強いインサイドアタックで28-16と先制パンチに成功する。しかし、第2クォーターに入ると、守備の強度を取り戻した琉球の反撃を受け、6点リードで前半を終える。

第3クォーターに入ると、帰化申請が認められたアレックス・カーク、ヴィック・ローにアレン・ダーラムを同時起用するフィジカルと機動力を備えたディフェンスに苦しめられ、このクォーターでわずか6得点と失速し、52-54と逆転を許してしまう。

それでも、A東京は第4クォーターにしっかりと立て直して互角の展開に持ち込む。一進一退の熱戦は40分で決着がつかずにオーバータイムに突入したが、この勝負どころでA東京は攻守で1段階ギアを上げ、サイズとレオナルド・メインデルを軸にしたアタックで得点を重ね、守っては激しいプレッシャーで琉球のボールムーブを停滞させることに成功。こうして、最後の5分間を20-9と圧倒することで地区首位対決を制した。

カークの帰化によってリーグ屈指のインサイド陣がさらに厚みを増した琉球に対し、この日のA東京はビッグマンのアルトゥーラス・グダイティスが欠場。それでもゴール下で互角に渡り合ったことが大きな勝因となった。

デイニアス・アドマイティスヘッドコーチは、このように試合を総括する。「前半は良いエネルギーでプレーしましたが、第3クォーターから少し攻め急ぎ始めてしまいました。特にシュートが落ちた後に状況判断が鈍る場面が増え、点差を詰められてしまいました。しかし、第4クォーターとオーバータイムではしっかりと我慢強く、一つひとつのプレーを正確に行なってビッグゲームを制しました」

さらに指揮官は「恐らく、遂行力では今シーズンベストのゲーム」と選手たちを称えた。31得点のサイズと共に勝利の立役者となったのはメインデルは、23得点6リバウンド3アシスト3スティール1ブロックと、持ち味であるオールラウンダーぶりをいかんなく発揮。また、2点リードを許した残り8秒には同点とするダンクを叩き込み、オーバータイムでは7得点と、ここ一番の活躍も光った。

メインデルは「グダイディス選手がいない中、全員がもう1段階レベルを上げてステップアップする必要がありました。それができて勝てたことは非常に大きいです」と、強豪相手につかんだ勝利の大きさを語る。

レオナルド・メインデル

「誰が自分を守っているのかは関係ないですし、自分がどんなプレーをするのかだけに集中しています」

この試合、主にメインデルのマークについていたのはBリーグ最強のペリメーターディフェンダーと言えるローだった。A東京には帰化枠にライアン・ロシターがいることで、メインデルは3番ポジションでプレーする機会が多い。サイズやフィジカルで優位に立てる相手とのマッチアップが多いが、抜群の機動力とリーチの長さを誇るロー相手にはこれまでと同じようにはいかない。

しかし、ワールドカップ2023で強豪ブラジル代表の主力を務めるなど、トップレベルでの経験豊富なベテランは、激しいフィジカルコンタクトでやり合う中、簡単にシュートに持ち込めない状況でも冷静にアタックを続けることで、ローをファウルトラブルに陥れた。その結果、第4クォーターの終盤にベンチへと追いやることに成功し、さらに粘り強いディフェンスでローにビッグショットを決めさせなかった。こうして、メインデルがローとの1対1でアドバンテージを取ったことは大きな勝因となった。

「日本で学んだのは我慢強くプレーすることで、それができれば正しい状況判断に繋がっていきます。誰が自分を守っているのかは関係ないですし、自分がどんなプレーをするのかだけに集中しています。彼(ロー)は素晴らしいディフェンダーですが、自分も高いオフェンス能力があることは分かっています。正しい判断をして、正しいタイミングでシュートを打つことだけに集中していました。ディフェンスでは、彼のリズムを少しでも崩すことを心がけていました」

冷静に自身の役割を説明したメインデルだが、コート上の彼は冷静沈着というよりは、チームを勢いに乗せるビッグショットを決めると雄叫びを挙げ、観客にさらなる声援を求めるなど、感情を全面に押し出す闘将タイプだ。

メインデルは冷静さと共に熱さも、大事な部分と明かす。「ファンを味方につけ、感情を正しく使うことができれば、大きなアドバンテージが生まれます。そこの見極めが大事になっていきます」

前節、A東京は千葉ジェッツに74-75と惜敗した。だからこそ、ここで接戦を制し、同じミスを繰り返させなかったことは大きな意味がある。ここまで抜群の安定感を誇るA東京だが、それはメインデルの攻守に渡る高値安定のパフォーマンスがあるからこそだ。