「個人的な栄誉であると同時にチームの栄誉でもある」
マジックのパオロ・バンケロはキャリア2年目にしてオールスター選出を果たした。今シーズンここまで23.0得点、7.0リバウンド、5.0アシストを記録。この3つはいずれもチームトップの数字で、25勝23敗と健闘するチームを攻守に引っ張る存在となっている。
キャリア1年目の昨シーズンには粗削りな部分も目立ったが、2年目の今シーズンはディフェンスが改善し、オフェンスでは使われる立場から牽引する立場となって得点を伸ばすとともに、アシストを3.7から5.0へと増やしている。そしてフランツ・バグナーが「パオロはいつも落ち着いていて、正しいプレーを心掛けることでチームを引っ張っている」と評するリーダーシップの面でも成長している。ただ、マジックが勝てないチームであることで過小評価されてもいる。コール・アンソニーは「彼はスーパースターと呼ぶべき存在なのに、多くの人が彼のことを知らない」と悔しがり、「だからオールスターに選ばれてほしい」とアピールしていた。
バンケロはそんなチームメートとともに、オールスターのリザーブが発表される『TNT』の放送を見ていた。彼の名前が呼ばれたのは最後の最後。焦らされた分だけ喜びは大きく、祝福する仲間たちに水を浴びせられた。「みんな僕のために集まって発表を一緒に見てくれた。遠征先での練習が終わったタイミングで発表があったから良かったよ。僕らはいつも一緒だから、今回もみんなと一緒に見守りたかった」とバンケロは言う。
「自分の名前が呼ばれるのを期待してドキドキしていた。発表されたのは最後だったけど、それに文句を言うつもりはないよ。選んでくれて本当にありがたい。オールスターに選ばれるなんて信じられないけど、長い間の夢でもあったから実現してうれしい。幸せだし、誇らしい気分だよ」
NBAプレーヤーになることを夢見て、ドラフトで1位指名されることを目標にして、それを実現させた。そして1年目の目標だったルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、2年目にはNBAオールスターに選ばれた。アメリカ代表の一員としてワールドカップにも参加した。バンケロはたくさんの夢を持ち、それに向かって突き進み、次々と実現させている。
「僕はいつも目標を立てて、一つひとつクリアしていこうとする。オフの時もどうやったら目標を達成できるかと、そのことばかり考えている」とバンケロは語る。「そして実際に目標を達成できると、自分を誇らしく思うと同時に、次の目標に向けたモチベーションが沸き上がってくる。NBAは世界最高のリーグで、そこでプレーできるだけでも素晴らしいけど、これからも僕はいろんな目標を立てて、それに向けて頑張っていく。こんな素晴らしい挑戦ができるチャンスを得られたことに感謝したい」
そして彼の思いは、所属チームであるマジックへと戻る。「オールスターに選ばれたことは個人的な栄誉であると同時に、チームの栄誉でもあると思う。今シーズンは今まで以上に成功をつかんでいる。僕らはみんな、自分たちの目標に向けて団結し、チームとしてベストを尽くしていく。できる限り多くの試合に勝って、目標を達成したい。このチームの全員が、それぞれに相応しいものを手に入れられると僕は思っているんだ」