サンダーからのオールスターのスターター選出は4人目
現地1月26日、サンダーはザイオン・ウイリアムソン不在のペリカンズに107-83の完勝を収めた。これで32勝13敗でティンバーウルブズに並び、直接対決で今のところ2勝1敗と勝ち越していることで西カンファレンスのトップに立った。
その前日、このチームをエースとして牽引するシェイ・ギルジャス・アレクサンダーは、NBAオールスターのスターターに選出されている。投票で決められるNBAオールスターのスターターで、西カンファレンスのガード部門は2名。シェイはファン投票こそルカ・ドンチッチとステフィン・カリーの後塵を拝したが、小さなマーケットでプレーしている以上、ファン人気で分が悪いのは仕方ない。それ以上に、より『現場』に近い選手とメディアからトップの得票を得たことが、彼にとっては意義深い。
シェイは昨年のオールスターにリザーブとして初選出されている。そして今回がスターターでの選出。2008年から始まるサンダーの歴史において、オールスターのスターターはケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルック、ポール・ジョージの3人しかいない。ここにシェイは加わることになるが、彼はまだNBAキャリア6年目の25歳で、プレーヤーとしての全盛期はこれから迎える。サンダーにとっては、これから毎年のようにオールスターのスターターを送り出すという期待がふくらむ。
シェイはルーキーシーズンを終えた2019年オフにポール・ジョージとのトレードでクリッパーズからサンダーに移籍した。年を重ねるごとにチーム内での序列を高め、平均31.4得点を挙げた5年目の昨シーズンには自他ともに認めるエースへと成長。今シーズンもここまで31.1得点、6.4アシスト、フィールドゴール成功率54.5%とMVP級のスタッツを記録している。ただ、それは彼の本質の半分に過ぎない。2.3スティールはリーグトップの数字で、ここまでのスティール総数100回は、マティース・サイブルの70、ドノバン・ミッチェルの65をぶっちぎる数字だ。ブロックショットは平均0.8だが、ここまでの34回はガードではデリック・ホワイトの48、フレッド・バンブリートの41、アレックス・カルーソの38、サイブルの35に続く5番目の数字だ。
今シーズンに入ってシェイは「動きのキレが大事なんだ。それを生かして、攻撃でも守備でも試合にインパクトを与えたい」と語っている。「僕が成功を収めるようになったのは、それを強く意識するようになってからなんだ。だから僕は今後もディフェンスに力を入れていくつもりだ」
シェイのスティール能力はオフボールで発揮されることが多い。激しいプレッシャーを持ち味とするジェイレン・ウィリアムズやルーゲンツ・ドートが相手から余裕を奪ったところで、シェイが鋭い動きで忍び寄り、長い腕でボールをかっさらう。奪いどころを見極めた『攻めの守備』だ。ボールを奪えばシームレスにオフェンスへと移行し、そこでシェイを止めるのは不可能と言っていい。
ほとんどのチームが、最も点を取るエースはディフェンスに難を抱え、チームディフェンスでカバーしようとする。だが、サンダーにその必要はない。昨シーズンの時点で優れていたディフェンスは、チェット・ホルムグレンのリムプロテクト能力が加わったことでさらに盤石となった。唯一の泣きどころがリバウンドで、相手に与えるオフェンスリバウンドがなかなか減らないが、どのポジションでもスイッチして守れる幅の広さ、そして機動力のメリットの方が大きい。
それでもやはり、このチームの最大の魅力は若さで、このロスターをあと何年も維持して成熟させられるポテンシャルがある。シェイはこれから全盛期を迎えるが、それはシェイに限らず主力の全員に言えること。シェイは躍進するサンダーの象徴としてオールスターのスターターに選ばれたが、リザーブが発表された時にはホルムグレンとジェイレン・ウィリアムズがオールスターの仲間入りを果たす可能性がある。
オールスターのスターターに選出されたことにシェイは「名誉であり、幸せだ」とコメントしている。「NBAには才能ある選手が多く、中でも西カンファレンスのガードは優秀な選手ばかりだ。しかも、日々同じこの仕事をしている仲間から1位に選ばれるのは本当に素晴らしいことだ」