テリー・ロジアー

課題の得点力不足を改善し、バトラー、アデバヨらのオフェンス面の負担を軽減

ヒートとホーネッツの間でトレードが成立。ヒートがテリー・ロジアーを、ホーネッツがカイル・ラウリーと2027年ドラフト1️巡指名権を獲得している。

29歳のロジアーは、ここまで30試合に出場し、ともに自己ベストとなる平均23.2得点、6.6アシストを記録しているリーグ有数のスコアリングガードだ。

現在24勝19敗と貯金が思うように増えないヒートの最大の課題は得点面だ。昨シーズンのファイナル進出に貢献したマックス・ストゥルース、ゲイブ・ビンセントが去った中、ハイメ・ハケスJr.の奮闘は大きなプラス材料ではあるものの、他に台頭する選手はいない。そのため、ロジアーの獲得はオフェンス力強化の特効薬として期待されている。また、ボールハンドラーとしての能力にも優れたロジアーは、ヒートの中心であるジミー・バトラー、バム・アデバヨ、タイラー・ヒーローと一緒にプレーする際、攻撃の起点として3人の負担を軽減できる。

さらにヒートの場合、バトラーが28試合、アデバヨが33試合、ヒーローが24試合の出場に留まるなど、中心選手の欠場が多い。これまでの故障歴を見れば、上記の3人が今後も何度か離脱する可能性は高い。そんな時、味方のチャンスをクリエイトし、個で得点できるロジアーの存在は、上位シードでプレーオフに臨むための助けとなるはずだ。また、サラリーの面で見ても、ロジアーは現在4年契約の2シーズン目で、2024-25シーズンは約2,500万ドル(約37億円)、最終年の2025-26シーズンは約2,650万ドル(約39億円)と、実績から言えば割高感はない。

ホーネッツに加入する37歳のラウリーは、ここまで37試合に出場し平均8.2得点、4.0アシストを記録。オールスターの常連だったラプターズ時代に比べると衰えは隠せないが、それでも堅実なゲームメークと卓越したリーダーシップは健在だ。若手が多いホーネッツでは指南役としても期待される。

また、今シーズンが契約最終年であることから、このままバイアウトとなり、リーグ最低年俸で優勝が狙えるチームへ加入すると予想する声も少なくない。そしてホーネッツが今回ロジアーを放出したのは、ラメロ・ボールとブランドン・ミラーを軸とするチーム再編をより加速させるためだ。だからこそ今シーズンが契約最終年であるゴードン・ヘイワードやマイルズ・ブリッジス、契約が残り2年で約3,000万ドル(約44億円)のPJ・ワシントンらのトレードを行っても何ら驚きはない。