W杯後に手術した足は全快にあらず「やっと7〜80%の状態まで来た」
11月30日の島根戦で左手を骨折した千葉ジェッツの原修太が、1月20日のレバンガ北海道戦で約2カ月ぶりにコートに帰ってきた。89-82で逃げ切ったゲーム2終了後、原は「去年は気持ちの面など戦う以前の課題が目立ったけど、今はそこを乗り切って、本当に良い状態なのかなと思います。点差は離れませんでしたが、次に繋がる内容で勝ち切れたことは本当に大きいです」と試合を総括した。
約29分の出場で18得点5アシスト。「すごく疲れました」とコメントした原は、自身のパフォーマンスを問われると「本当に一言で言うと、ケガしてよかったんじゃないかなって思ってます」と言った。
オフをワールドカップ日本代表として過ごした原は、シーズン開幕を間近に控えた9月に両足を手術した。開幕から約1ヶ月遅れの10月28日に復帰を果たしたものの、コンディションは本人いわく3〜40%。持ち味の一つとしているドライブができず、それゆえオフェンスの判断の遅れなどの影響が出ていたと明かす。
「代表から帰ってきてすぐ手術をしてリハビリして、試合に出れる段階まで来てからは、チームが負けていたこともあって治しながらプレーしていたような感じでした。手を怪我して2カ月弱ぐらい試合に出られないことが分かってからは、トレーニングコーチやメディカルチームと相談して、シーズン中にできないような細かいリハビリやトレーニングを重点的に行いました。今はやっと7~80%の状態まで来て、思い切ってドライブに行けるようになりました」
また、「プレーに余裕が見えるように感じる」と問われると、「これまでは足を怪我をする前のイメージと実際のプレーにギャップがあったんですが、今はそれがやっと一致してきています」とその要因を答えた。
ボールハンドラーとしての使命感「僕がそれを担っていけばめちゃくちゃ良いチームになっていく」
習志野高、国士舘大を経て、2016年に地元クラブの千葉Jに入団。シューターからディフェンダー、そしてボールハンドラーと着実にステップアップを果たし、昨シーズンはプロキャリアで初めて、レギュラーシーズンにおける平均得点を2桁に乗せた。
この日も18得点。「今年も平均2桁は期待できますか?」と問われた原は、ファーストプライオリティとするのは得点ではないと答えた。「得点を狙うというよりも、ピック&ロールからのズレで僕が起点になりたいです。そうすれば、(富樫)勇樹と(西村)文男以外に起点を作れる選手がいないという、今のチームの課題を解消する助けになるので」
今シーズン、千葉Jは原を筆頭にボールハンドラーが相次いで故障し、この役割を果たせる人材に苦戦してきた。原はその中で奮戦した若手たちの頑張りを認めた上で、「1つのピックでズレを作るっていうところはまだここからだと思う」とコメント。「そこを僕が担っていければめちゃくちゃ良いチームになっていく。僕が良い流れに持っていって、その結果2桁取れれば良いです」と続けた。
持ち前のディフェンスでも存在感を発揮した。要所のダブルチームの仕掛けも光り、ジョン・パトリックヘッドコーチが手放しで称賛するパフォーマンスだったが、本人は満足していない。「ディフェンスはまだまだ課題が多いです。ポジショニングとかは経験でどうにかなるんですけど、足がまだついていけていなくて、昨日も1対1で何回も転びかけたので。徐々にコンディションと試合勘を上げて、ちゃんと褒めてもらえるように頑張ります」
千葉Jは現在18勝13位の東地区3位。過密日程による練習不足、相次ぐ故障者の影響で思うような勝ち星を挙げられず、苦しいシーズンを過ごしていた。しかし頼れる男が帰ってきた。いざ、後半戦。逆襲の準備は着々と整っている。
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