ラメロ・ボール

「何があっても勝利への道筋を見いだす」

ホーネッツは開幕から1か月で5勝9敗と出遅れ、そこでラメロ・ボールが右足首の捻挫で戦線離脱を強いられた。エース不在の1か月半で3勝18敗と負け続け、ラメロが復帰してからも3試合連続で敗戦。現地1月19日、スパーズを相手に124-120で勝利し、連敗を6で止めるとともにラメロは2か月ぶりの勝利を手にした。

ビクター・ウェンバニャマ不在のスパーズが相手でも、まずは一つ勝ってホッと一息ついたところ。ブランドン・ミラーが2試合の欠場から復帰したが、先発センターのマーク・ウィリアムズは背中の痛みによる欠場が1か月半続いており、代わって先発を務めるニック・リチャーズも先のペリカンズ戦で足首を痛めて戦線離脱と、ホーネッツのケガ人続出は止まっていない。

指揮官のスティーブ・クリフォードは「オールスターブレイクまでは使える選手で何とかするしかない。選手たちは厳しい状況に耐え、一生懸命に戦っている。勝つことが重要だし、勝って気持ちを高めていくことが大切だ」と語る。

万全には程遠い状況だが、それでも連敗は止めた。ラメロ・ボールは「何があっても勝利への道筋を見いだす。それが僕らのやるべきことだ」と言う。

そのラメロは28得点8アシストを記録。「寒さにやられて体調があまり良くなかった」と明かすが、プレーにはキレがあった。第3クォーターまでに23得点を奪い、第4クォーターに入ると相手の警戒を逆手に取ってパスで味方の得点を演出していく。そして残り50秒、1点リードという勝負どころでラメロはプレーを切り替え、自ら得点を奪いに行く。ピックを使ったところで仕掛けられたダブルチームをスピンムーブで振り切り、スピードを上げて1人をかわし、シュートを阻もうとする相手に前後を挟まれたがダブルクラッチで得点を奪った。スパーズはたまらずタイムアウトを取り、ラメロは雄叫びを上げてチームメートに祝福された。

「相手の大きな選手がダブルチームに来たのをスピンムーブでかわして、あとは身体が勝手に動いた。勝てて気分が良いよ」とラメロは言う。復帰4試合目で手にした勝利で、彼の表情は久々に明るいものとなった。「復帰して試合をこなすごとに、シュートを打つごとに感覚を取り戻している。良いプレーができるようになってきたよ」

ケガ人続出でチームがなかなか上向かない間にシーズンは折り返し地点を迎えようとしている。ここからの挽回は難しいと言わざるを得ないが、ラメロもチームメートも、プライドを持って自分たちの価値を今後の試合で示していくつもりだ。