マイケル・ポーターJr.の弟、ジョンタイと交渉
ブルース・ブラウンはペイサーズからラプターズへとトレードされた。一昨シーズンはネッツ、昨シーズンはナゲッツ、そして今シーズンはペイサーズと移籍を繰り返してきた彼は、現地1月18日のブルズ戦で早速ラプターズでのデビューを果たした。
「この24時間はドタバタだったよ。トレードを知らされた時、僕はチームと一緒にサクラメントに遠征していて、チーム練習が始まるところだった。急いでホテルに戻って荷造りして、夜の飛行機に乗った。今日もメディカルチェックやいろんなことで慌ただしくて、今日プレーするかどうかは分からないままだったけど、出ろと言われたらプレーする気持ちの準備はできていたよ」
ブラウンは慣れない環境でプレーすることを言い訳にしない。昨シーズンにオールラウンドな能力を生かしてシックスマンとしてナゲッツの優勝に貢献したように、ベンチから出て攻守両面でハッスル。試合には敗れたものの、彼は25分の出場で15得点7リバウンド1アシスト1スティールを記録した。
良いパフォーマンスは見せられたが、「だけど、まだチームがどんなオフェンスをするかは学ばなきゃいけない」とブランは言う。「自分がどこにポジションを取り、どう動いてシュートを打つか。チームメートの傾向を知り、自分がそこにどんな形で機能すればいいのか。それはこれから学ぶんだ」
ブラウンはナゲッツとペイサーズで着けていた11番をラプターズでも着用する。ただ、これには面白いエピソードがあった。ラプターズでは2ウェイプレーヤーのジョンタイ・ポーターが11番を着けていたのだが、ブラウンはその兄のマイケル・ポーターJr.とナゲッツでチームメートだった関係で面識があった。移籍が決まってジョンタイからメッセージとのやり取りをしていた彼は「11番を売ってくれないかな?」と打診。「1万ドルなら」というジョンタイの提案に、ブラウンは即決で乗った。
彼にとって11番は大学時代から着用する愛着ある番号。ドラフトで指名されたピストンズではアイザイア・トーマスの永久欠番だったために使えず、ネッツではカイリー・アービングが使っていた。再び11番を着るようになったナゲッツでNBA優勝を勝ち取り、自分の価値を一気に高めているだけに、『ラッキーナンバー』へのこだわりは強い。「僕のお気に入りの番号はどれも空いていなくて、友人がいたおかげで助かったよ」とブラウンは笑顔を見せた。
ラプターズは解体に舵を切ったところで、ブラウンはすぐに別のチームにトレードされる可能性がある。それでも、移籍を繰り返す中でも良いプレーを続けて自身の価値を高めてきた彼は、今この瞬間にベストを尽くすことの意義を理解している。
「自分の経験がチームに役に立つと思う。昨シーズンの優勝を始め、これまでのいろんな経験を若いチームメートと分かち合いたい。ただ、僕から教えに行きはしないかな。みんなと少しずつ良い関係を作って、それぞれの性格を知った上で、みんなの助けになりたい」