高田静

チームの核となる選手として、指揮官が名前を挙げる

パリ五輪出場権獲得を目指す『3×3』女子日本代表は第1次強化合宿を終えた。

代表は強化を始めたばかりで、コンディション不良のために2名が合宿に参加できず。そのため、どの選手が(予備登録2名を含めた)6名に選ばれるかは未知数だ。それでも、長谷川誠ヘッドコーチが「今挙げられるとしたら、高田選手1人かな」と、チームの中心選手として名前を挙げたように、高田静は代表生き残りレースにおいて一歩リードしているようだ。指揮官は特に高田の体力とシュート力を高く評価している。

「シュートとドライブ、パスのセンスもあります。(ディープを含めた8カ所から)シュート練習をしていて、データを見てもらえればと思いますが、ディープツーを10本連続で決めていますから。そして1番体力があるかなと。10分ですが、5人制よりもキツイんです。我々としては後半に体力勝負を仕掛けたい。そういう意味でも、体力のある選手は大事です」

運動部が別の部の大会に助っ人として出場する話はざらにあるが、高田も中学校時代は駅伝の大会に出場していたようだ。そして、「小学校でもよく長距離を走ったりしていたと思います。長距離は得意で、自分の得意なところで負けないことが大切だと思うので、そんなにびっくりはしないです」と、体力面には自信をのぞかせた。

高田静

W杯優勝国のアメリカ「絶対に勝てない相手ではない」

高田は今回の合宿をこのように総括。「普段はみんな5人制をやっていて、3人制は5人制と違った部分があります。3人制のバスケットをもう1回理解し直したり、OQTに向けたバスケットを徹底できるように、みんなで意識することが大切になってくると思います。限られた時間の中でしか練習はできないですが、OQTに向けた理想のバスケットに繋がるように頑張りたいと思います」

主戦場はWリーグで、3×3は昨年の5月から開始と日が浅いが、3人制への適応能力は高くボールの大きさの違いも意に介さない。昨年のワールドカップでは優勝したアメリカと対戦し、敗れはしたものの大きな力の差は感じなかったという。

「ワールドカップでは優勝したアメリカと対戦させていただいて、絶対に勝てない相手ではないという手応えがありました。パリオリンピックの切符を勝ち取って、オリンピックでもう1回対戦して、勝つことができることを証明できたらいいなと思います」

そして、3人制の日本代表として東京オリンピックに参加して以降、5人制の中心選手へと成長した山本麻衣を例に出し、この3×3の経験が5人制に生かせると高田は確信している。

「別のモノと考えずに、楽しんでやっていくことも5人制に生かされます。やはり、山本選手を見ても3人制でやったことが絶対に5人制に生きてくると思うんですよね。3人制は10分間なので、本当に何が起こるか分からない部分が多いと思いますし、世界で勝てるチャンスがすごくあると思っています。日本代表として世界で活躍し、日本の3人制のバスケを(5人制でも)出していけたら、すごく面白いことになるんじゃないかと思っています」

3人制の場合、高さのミスマッチが生まれてもローテーションせずにそのまま個で対応する場合が多い。高田は「海外の大きい選手につく時はとにかく気持ちで上回るしかない」と苦笑いを浮かべたが、確かな技術とスタミナ、そして精神的な強さを併せ持つ彼女であれば、有言実行するはずだ。