ジェイソン・テイタム

圧倒的な攻撃力を誇るペイサーズを抑え込んで完勝

セルティックスにとって現地1月6日のペイサーズ戦はリベンジマッチだった。今シーズン最初の対戦では大量155得点で圧勝したが、これはタイリース・ハリバートンが足首の捻挫で欠場した試合。2度目の対戦はインシーズン・トーナメントの準々決勝で、ここでセルティックスは完敗を喫して敗退へと追いやられている。

ペイサーズはインシーズン・トーナメントで決勝に進出。ハリバートンを中心にするスピーディーに全員が連動する超攻撃的バスケで話題を集めている。6連勝中で、そのうち3試合で得点が140を超えた。ホークス戦では150得点を奪い、チームで50アシストを記録する絶好調ぶり。セルティックスとしては、今後もにらんで叩いておきたい相手だった。

そんな試合でセルティックスは攻守に完璧なパフォーマンスを見せた。ペイサーズの流れにしないよう、アーリーオフェンスでシュートが打てるチャンスでもすぐには打たず、フィジカルで相手を削りながらのハーフコートバスケットを選択し、徹底してスローな展開に持ち込んだ。クリスタプス・ポルジンギスが目の負傷でわずか6分しかプレーできないアクシデントも、アル・ホーフォードにオシェイ・ブリセットの奮闘でしのぐ。

走る展開をあえて作らないために試合は重くなり、ディフェンスをこじ開けて強引にアタックに行かなければ得点が生まれない状況で、ジェイソン・テイタムが38得点、ジェイレン・ブラウンが31得点を記録。ただ、この両エースもあくまでディフェンスを優先し、とにかくペイサーズに、ハリバートンに気持ち良くプレーする機会を与えなかった。

ハリバートンは17得点7アシスト、ターンオーバー4つと封じられた。「たくさんのシュートを外してしまった。セルティックスはディフェンスが得意なのは分かっていたけど、僕らは良いシュートを打てていた。それを決められなかった」と試合後に語っている。ただ、それはセルティックスが『決めさせなかった』と言っていい。いつもと違うペースに巻き込まれたことで、いつもなら入るシュートが入らず、3ポイントシュートは42本中8本成功(19.0%)に終わった。ペイサーズで最も多くの得点を挙げたのはベネディクト・マサリンの20得点。しかしマサリンの得点の多くは強引な個人技でもぎ取ったもので、スピーディーなパスワークでイージーバスケットを作るペイサーズのバスケは完璧に封じられていた。

重い展開に持ち込み、そこで違いを示したテイタムは「今回はジョー(マズーラ)とかなりしっかり映像を見た。まるでプレーオフのようにね」と語る。「それでどの状況でどう攻めるべきか、その判断を見極めた。ただアイソレーションで攻めたわけじゃない。相手の守り方を見て、逆手に取るんだ。ペイサーズはディフェンスでスイッチしたがらない。それを生かしてオープンな3ポイントシュートのチャンスを作ったんだ。その後に彼らがどうディフェンスを変え、僕にどう対応してくるかも予習済みだった。試合を通じた心理的な駆け引きはスタッツに表れないけど、そこで良い仕事ができたと思う」

「バスケでは本能に任せてプレーすることも多い。でも、その映像をチェックしながら一時停止ボタンを押して、自分がやったプレーのポイントを確認する。その瞬間に最善の選択ができていたかどうか。判断ミスをしていることもあるし、セルフィッシュに思えたプレーでも確認したらベストな選択だったこともある。それも含めて学んで修正していく。そうやって一歩ずつ前進して、願わくばシーズンの最後にベストな自分へと持っていきたい」

NBAはショー・エンタテインメントで、派手なプレーこそが美徳とされる一面もある。それでもセルティックスは成熟期にあり、テイタムもブラウンも派手なプレーやスタッツ稼ぎへの関心を失っている。「もう褒められなくてもいいかな」と、テイタムは首をかきながら照れ臭そうに笑った。

「僕はNBAで多くのことを成し遂げてきて、ファイナルに戻って今度こそ優勝を勝ち取ることだけが望みなんだ。今やっていることでMVPは取れないかもしれないけど、僕はセルティックスがリーグで最強のチームになってほしいし、そのために自分の役割を果たしたい」