ウドニス・ハズレムの『40』に続き『7』が永久欠番に?
ゴラン・ドラギッチが現役引退を表明した。スロベニア代表のレジェンドであり、NBAでも2008-09シーズンから15シーズンのキャリアを誇る彼は、昨シーズンにブルズとバックスでプレー。バックスの一員としてプレーオフでのヒート戦にわずかな時間に出場したのを最後に、今シーズンはどのチームとも契約していない。
そして彼は現役引退を決断した。『Sport Klub』の取材に応じた彼は、「ミラン、マドリー、パナシナイコス、バルセロナ。ヨーロッパからはたくさんのオファーをもらった。しかし、家族はアメリカで生活していて、子供たちと離れて暮らすつもりにはなれなかった。プレーを続ける唯一の選択肢はヒートだったけど、ロスター枠に空きがなくて上手くいかなかった」と明かしている。
ここ数か月はトレーニングを続けながらも、子供たちと過ごす時間が増えたことで、現役生活を送るための犠牲がどれだけ大きなものだったかに気付いたそうだ。「それが引退を決断する一番の理由だ」とドラギッチは語る。
彼の引退が最も大きなインパクトで受け止められているのはマイアミだ。レブロン・ジェームズの退団からしばらくしてヒートに加入したドラギッチは、NBAファイナルの常連からプレーオフ進出にも苦労するようになるチームを支えようと奮闘。ドウェイン・ウェイドと同じかそれ以上に、常にベストを尽くす『ヒート・カルチャー』の担い手となり、クリス・ボッシュが病気でコートを離れ、ウェイドでさえヒートを離れた時期にもチームを背負い続けた。
ユーロバスケットを制してMVPになった2017年、初めてオールスターに選ばれた2018年というキャリアの全盛期にも、彼はヒート以外の場所でプレーしようとはしなかった。そして迎えた『バブル』のシーズン、彼は初めてNBAファイナルの舞台に立つのだが、そこで左足底筋膜断裂という厄介なケガに見舞われた。残念なことにそこから、当時34歳の彼は身体的な衰えに直面することになる。
ヒートでの彼の努力と献身が目に見える結果で報われたとは言い難いが、それでもマイアミのファンも、ヒートの関係者も、ドラギッチの貢献は決して忘れない。その役割がジミー・バトラーへと受け継がれた今も、それは変わらない。ドラギッチは8月にスロベニアで引退イベントを行い、ルカ・ドンチッチは早々に参加を表明しているが、ヒートからも多くの元チームメートや関係者が参加するだろう。
今、マイアミではドラギッチが着けた背番号7を永久欠番にするかどうかが議論されている。ヒートではウドニス・ハズレムの40番の永久欠番セレモニーが準備されているところだが、7番がこれに続くことに異議を唱える者は、このクラブにはいないはずだ。