プレーメークの比重を増やす「リード役になる」
セルティックスは今週、6日間でキャバリアーズと2試合、マジックと2試合を戦うハードスケジュールを全勝で終えた。指揮官のジョー・マズーラはこの1週間を迎えるにあたり、「プレーオフのつもりで戦おう」と選手たちに気合いを入れ、チームはいつも以上のパフォーマンスでこれに応えた。コーチは普通、選手を油断させないために試合中に大喜びしないものだが、現地12月17日のマジック戦、第4クォーター残り6分半にジェイレン・ブラウンが2本連続でシュートを決めた時、両腕を突き上げる派手なガッツポーズを見せた。
「私は勝ちたいし、良いプレーを楽しみたい。選手と気持ちは同じなんだ。それを選手たちに態度で示すのも、たまには良いだろう」とマズーラは言い、笑顔とともにこう続けた。「メンタリティ、タフネス、ディフェンス、アイデンティティ。そのすべての面において、今日はセルティックスらしさを出せた。我々は素晴らしいものを見せ始めている」
20勝一番乗り、リーグのトップを快走するセルティックスで最も評価が高いのがジェイレン・ブラウンだ。今オフにマーカス・スマートとマルコム・ブログドンが去り、ポイントガードが新加入のドリュー・ホリデーと若いペイトン・プリチャードになった今シーズン、ブラウンはプレーメークの比重を増やしている。自分の最大の持ち味はスピードに乗ったオフェンスで得点を奪うことだと理解しているが、チームがベストパフォーマンスを発揮するために自分が何をすべきか考えた結果のプレースタイル変更だ。
今シーズンの彼はここまで21.9得点、4.7リバウンド、3.4アシストと直近の数年よりわずかにスタッツを落としているが、「今が僕のベスト」と自信を持っている。「これまでも自分ができる役割をやってきたつもりだけど、今のチームでは僕が1試合に30得点を取る必要はない。だからチームが正しいプレーをするために、そのリード役になろうと心掛けている。そのおかげで、以前よりも試合を冷静に見れるようになったと思う」
先週、『The Athletic』に掲載されたインタビューの中でも、彼はプレースタイル変更についてこう語っている。「アグレッシブに攻める点は変わらないけど、フロア全体を見て正しい読みをして、他の選手を巻き込もうとしている」
それは昨シーズンのカンファレンスファイナルで、ヒートが仕掛ける多彩なディフェンスに苦しんだことがきっかけだった。攻めのバリエーションが少なく、それを封じられると個人能力頼みになる。これを打開できなければNBA優勝は実現しないと感じたからこそ、ブラウンは自分を変えようとしている。
「多くの人はゲームを見ているようで見ていない。スタッツが落ちているのは気にしていないよ。チームのみんなは僕がプレーメークを意識していることも、パスを増やしていてもターンオーバーを減らしていることも分かってくれている」
「でもまだシーズンは序盤だ。今のチームの戦いぶりは素晴らしいと感じているけど、シーズンが進むにつれて成長し、成熟しなきゃいけない。僕は学び、成長する。バスケットボール選手としてもっと成長したい、それだけに集中しているんだ」